H. ミンツバーグ

引越の準備をしていると、必然的に書棚を見返すことになります。毎日見ている書棚なのに、こういう時にぴょこんと「久しぶりに読んで頂戴!」って出てくる本があるから不思議です。

昨日出てきたのは「H.ミンツバーグ著 MBAが会社を滅ぼす」。

この本は、日本語タイトルが結構「攻めて」いますが、原題は「Managers not MBAs」というもので至って「真面目」な本です。

無風凧が組織論で学位論文を書いている最中の上梓でしたから、内容はよく覚えていて、ちょっと感情的な愚痴が多いような気もしますが至極真面目です。無風凧の「経営学教育」の一つのバックボーンです。10年経って再読して、やはり面白い著作だ、と感心しています。

所で、読みかえして、大きな矛盾・課題に気が付きました。

1) MBA教育は記述的なある必然があると「規範的に」書いていること。

2) MBA取得者というネットワークの効果に触れていないこと。

さらに。ここがもっと重要なのですが、

3) ミンツバーグもイノベーション教育について一家言ある方です。そして、イノベーションはボトムアップだ(現場思考)、というのが主張だと思っていますが、彼の「マネジメント教育」は「トップダウン型のイノベーション」を起こすことはできますが、ボトムアップ型のイノベーションは、原理的に起こすことができません。それに気が付いているから、2)の記述がなかったのかもしれません、、、、

などなど。

楽しい読書でした。

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これも公私混同。

組織のトップの友人、というのは、組織のセカンド(二番手。簡単に言えば、社長がトップだとしたときの副社長)よりも影響が大きいということがあります。これって、、、ある意味ではトップの人の公私混同、ですね。

そして。

その友人が、トップの方の直接の友人ではなくて、友人の子供や兄弟であっても、セカンドよりもDecisionに強く影響する、ということもあります。。。ここまで来ると、確信犯的に公私混同だと思います。

先日聞いた、あり得ない話。

登場人物:
A: とある組織のトップ。
B: 芸術家で、Aとは異なる組織のトップ。Aの友人で、すでに故人。
C: Bの子供。Bの組織のトップではないし、もちろん芸術家ではないが、芸術家然としている。

Aが、とある案件の決裁をする際に、たまたまCが近くにいて、相談して、そのまま決まってしまった、、、という話。

芸術の内容なら、AがBに相談することはあったでしょう。芸術の内容ではない。まして、Cは、、、単に昔から知っている友人の子供である以外の何物でもない。しかし、AがCに相談して、決裁、、、組織論的に言えば、「確実に公私混同」。無風凧の友人は、その決裁の結果「損する」立場だったので、かなり立腹しているようでした。

無風凧は、次のようにコンサルしました。

「そんな、公私混同するようなトップのいる組織は長続きしないから、今回外れることができてラッキーだったね」。

 

 

 

 

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組織のブラック化、もう一つの原因

些か遅くなりましたが、一昨日の新潟地方地震で被災された方、避難されている方にお見舞い申し上げるとともに、復旧に奔走されている方に応援申し上げます。

この復旧作業を考えていて、無風凧は「組織のブラック化」の大きな原因を見つけました。

それは、「責任者の公私の時間的分離」に起因するものです。以下がそのケーススタディ。

地震直後の救助活動などは、生存限界の72時間の壁など考えると、短期集中ではありますが、「休む間もない」が実際です。

この状態の時に、責任者、、、いろいろなレベルでの責任者がいると思うのですが、とりあえず責任者とします。

この責任者について、次のような人物像を考えることができます。
1) 責任者一人である(たとえば市長は一人)。
2) 責任者は、最終判断を自分でする(他人まかせや、いわゆる「めくら判」は押さない)。
3) 第三者(世論)は、「どんなことがあっても」責任者の責任にしたがる(実質、責任者ですから)。

上述の生存限界72時間の壁など考えると、1)~3)の人物は72時間、働き続ける、つまり「ブラック化」することは想像に難くありません。組織論を少し勉強したことがある方なら、「2)は権限の委譲ができてないからだ」、と指摘するでしょうが、権限移譲していても3)の世論は、それを許しません。

また、有事に「対応開始するまでの時間が遅い」などという批判をあびるという過去の事例も多く、その意味では、責任者は24時間体制でその組織に対応できる状態、「スクランブル発進可」の状態である必要があります。

とはいえ。

たとえば、責任者(たとえば市長)を3人にする、というのもあり得ないでしょう。AさんとBさんで判断が異なった場合に、最終責任はどちら?という議論は必ず起きます。

このように考えると。

「責任者」という存在自体が、「組織のブラック化」の原因の一つだと言えます。

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NGTのリストラ

NGT48が、リストラを発表しました。そう、山口さん以下計三名の「卒業」と「チームの再編」です。今回は、ネットに流れている情報を元に、世の中の「リストラ」との類似点・相違点を考えてみましょう。

無風凧の把握している範囲で。(以下、登場人物は、山口さんと、主宰であるAKSの二者に絞ります。

山口さんの主張: 
1.暴行を受けた
2.メンバーが暴行の手助けをした
3.AKSに対して、改善要求をして、AKSは受諾するも、実行していない。
4.AKSから、「NGTを攻撃している」(正確な文言は失念)と言われた

AKSの主張:
1.暴行は、基礎にならなかったから事件ではない。
2.第三者委員会を設置して、その結果に基づいてNGTを改善する
3.経営上の理由から(チームワークも含めて)、NGTを解散して再編する。その際、山口さんは新組織には入らない。

どこまでが、本当かウソか分からない部分がありますが、以下のぎろんでは、上記命題の下でのケースだとします。

これは、、、典型的な、「出る杭は打たれる」型のリストラですね。リストラはは、何も「できない人」を解雇する目的だけではなく、経営側から「コントロールしにくい人」を排除する為ににも行われますから。特に、革新的なことを行おうとすればするほど、組織からは「煙たがられる」ことが多い。その典型例です。

このような「出る杭は打たれる」型のリストラの場合、往々にして判官びいきが発生したりして、世論的には「出る杭側」が人気をとり、経営側から更に「疎んじられる」という傾向があります。報道されている範囲でいえば、貴乃花親方の相撲協会脱退事件も同じ構造です。

ここで、組織論(学問としての組織論を意味しています)的に面白いのは、山口さん4の「NGTを攻撃している」的な発言。あくまで「組織の存続」が「正」であり、それ以外は「悪」であるという「和の国=日本人」のメンタリティーを付いてきているところ。経営側の言葉を「世間様の主張」に置き換えるテクニックですが、これが出てくると、出る杭 としては、何もできなくなってしまいます。

この発言(NGTを攻撃している)が本当にあったとするならば、AKS側は伝家の宝刀を抜いた、ということになります。

もう一つ。「雇用」の関係を見ておきましょう。お互いが主張を繰り返してた場合、結果としては、出る杭側は組織から離脱、それは「収入がなくなる」ことを意味しています。。。つまり。このケンカは「どうやっても山口さんの負け」が決まっているケンカだったと言えます。これは、暴行が事件になっていたとしても、別の形の引責卒業のストーリーを描くことができますから、早晩「卒業」だったでしょう。

その意味では、雇用主 との「ケンカ」は、必ず「負け」です。雀の涙ほどの和解金を得ることがあるかもしれませんが、負けは負けです。それでも、自分の信じるものは曲げられない、、、そういう「理想を追う」人は、この世の中では損をします。

AKSも、主戦級を欠いて、一時期下降傾向にあるかもしれませんが、数年後には忘れ去ったかのようになるでしょうし、新潟がだめでも他の地方で再生させるというオプションもあります。そのように考えれば、AKSに負けは無い、のです、、、、無風凧にとっては嫌な世の中です。

 

 

 

 

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社会構造のねじれをランキング視点で考える

「年上の部下を持ったときに困った記憶ありませんか?」

管理職になって、初めて部下を持つ。最初は年下の何人かだけを部下にしていますが、ある時、自分の親に近い年齢の方を部下にする。。。そんなときに、どのように接していけば良いか、悩んだことのある方は多いのではないかと思います。

これは、乳幼児の頃から大学卒業するくらいまでは、ほとんどの人生経験において「年功序列」で過ごしていた人にとって、優先順位に変化が生じたことによる戸惑いと言えます。一般的な社会生活では、「目上の者を大切にする」ことは大切なことですし、体育会系の人は特に「先輩」の存在が絶対だったりしますから。

言い換えれば、対人関係における「社会生活におけるランキング」と「会社生活におけるランキング」の間に「ねじれ」が生じることに、違和感をおぼえ、困惑するのが「初めて年上の部下を持った時」です。

バブル期までの日本では「会社生活におけるランキング」はほとんど「年功序列」だったので、ねじれは存在していませんでした。

さて、ここからが今日の本題。

先日、とある新聞記者のかたと話をしていた時の話。

「デスク(上司)は大した記事も書いたこともない若造なのに、デカい顔をして、給料も俺より良い」

これも一つの「ねじれ」です。日本人は殆どの場合、「努力」=「成果」=「報われる(評価される)」の等式が暗黙の了解です。上記の記者は、上司よりも自分の方が努力しているし成果も出しているのに給料が低い、という「ねじれ」を指摘しているのです。少し見方を変えれば、「良い記事を書く」軸でランキング上位を目指していた記者たちに、ある日突然「マネジメント力」という評価軸で評価されることになり、l「良い記事を書く」軸と「マネジメント力」軸にねじれが生じています。

現代教育においても、入試制度においても、、、、努力の方向とそれを評価する評価軸が異なることは無いのですが、社会に出た瞬間に「これまでとは全く異なる価値観」=「マネジメント力という新しいランキング軸」で評価される、、、このねじれが、上記新聞記者を始めとする不満の根源です。

最近の大企業にある「役職定年制度」などというのも、この「ねじれ」を更に複雑化しているものです。そして、、、不満分子が増えていく。

このねじれ、改善した方がよいのか、このままが良いのか、はまた改めて。

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ココログのバージョンアップと働き方改革

ココログのリニューアル、まだまだトラブルが続いているようです。エンジニアの皆様、お疲れ様です。

所で、不具合状況の共有のページに、「このようにトラブル続きなのに、土日に休むのですか?」という主旨の投稿がありました。今日は、それを例にとり、働き方改革法案の不備、を指摘したいと思います。

ココログのリニューアルが嚆矢ですが、突発的に大きな作業が生じる場合があります。特に、不具合対応の場合などは、事前予測もつきませんし、収束までの見通しも立たない。

加えて、SEは、現在人材不足の分野でもあります。

ここで。

不具合が発生した場合、働き方改革の本旨から言えば、「残業はさせない」、、、つまり、不具合の改修は遅れるということになります。これっておかしいように思いますよね?だって、有料会員の方は言うに及ばず、無料会員の方も「サービスは継続されるもの」ですから。ユーザーは、「一刻も早い改修」を望みます。

一刻も早い改修、、、言い換えれば、改修が終わるまでは「突貫作業=休みなし」。これは、働き方改革の理念に反します。

以前も書きましたが、無風凧も1000人規模の組織のシステム変更をしたことがあります。入念に準備していましたが、前任者からの情報に不備があったり、ローカルルールで結線が変わっていたり、などなどで、想定外がおきてしまい、結果として、エンジニアは1週間、休みなしでした。

人材不足の場合、専門性が高い職業の場合など、人海戦術ではなんともならない職種もあるわけで、ここに働き方改革法案の不備があるわけです。

 

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d3988 第三者委員会の有り方について考える

NGT48の山口氏への暴行事件に関して、第三者委員会報告に基づく運営会社AKSの記者会見が行われました(コチラ 参照)。記者会見中に山口氏のTwitter弾がさく裂したようで、これからもマスゴミネタとしては注目が続くものと思われます。

今回も第三者委員会、という「公平を標榜する」委員会が調査をしました。その結果に基づいて「経営側」が施策を考える、というのが一般的な流れですが、、、第三者委員会の有り方について、ちょっと考えてみましょう。

第三者委員会が出てくる場合は、、、特に経営系の話になる場合は、「組織」対「個人」の問題が多い。そして、第三者委員会は、「組織」が設立を依頼し、Report To は「組織」。

既にここまでに第三者委員会の有り方の問題点が出ています。問題の当事者の片方である「個人」の出番が無いのです。第三者委員会の報告書には「個人」の意見が盛り込まれているとは思いますが、圧倒的に、組織が強い構造です。

そもそも。Report To が「組織」であることが無風凧には「第三者委員会の有り方」の問題だと思います。「対価の支払元=雇用主」が「組織」であることも問題です。更には、「報告」以降の有り方に「意見を言わない(言えない)」のはなぜか、という疑問が残ります。

報告書の書き方、については、また別日に書きます。

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d3970 人材登用における実績主義の罠

人材登用、、、これは、大きな組織に限らず、経営者としては頭を痛めるところです。実際は、選挙における議員・首長選びも、、、そして、VCの投資先決定などもまったく同様です。

実績に基づいて未来を託す。

至極当然のように思いますが、ここでちょっと違う例を示しましょう。「時間依存シミュレーション」での未来予想です。天気予報は言うに及ばず、高速道路の渋滞予測、ダムの決壊予想、半導体デバイスの中の電子の挙動、、、などなど。

もうお分かりのように、「時間依存シミュレーション(以下ではDS:Dynamaic Simulation)」の技術は「今の状態」から「未来を予測」する技術だということができます。その意味では、未来の成果を期待する人材登用も、DSと同じ結果をもとめている分けです。

人材登用とDSで最も違うところ。というより、、、DSでは、「絶対にしないこと」。今日はその説明が主眼です。

DSでは、陽解法という手法と陰解法という手法がありました。そして、、、陽解法は、「解が発散するので予測精度が低い」とされています。(専門家の為の注: 一階差分の例で説明しています)。

陽解法、、、今の状態から、今後を予測する。計算が楽。
陰解法、、、未来を一つ仮定して、今の状態を用いて検証する。計算が大変。

DSでは、陽解法を用いることは殆どありえません。陰解法、若しくはその手法を考慮した計算手法を用いることが一般的。

翻って、人材登用を考えてみましょう。実績による人選は、陽解法と言えます。DSの手法では、「予測精度が低い」手法です。

というわけで、無風凧の主張は。人選に於いては、実績主義も「精度が低い手法である」、ということ。それを超える人選手法、、、陰解法的な手法、、、、については、また改めて。

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d3951 組織論の枠組み(ティールを考える3)

20190215

ミツバチたち:
僕ら一人一人の気持ちなんて判るのかなあ?どうすれば、蜜が一杯集まるのかなあ?

写真出典 ゆんフリー写真素材集 Photo by (c)Tomo.Yun 

組織論、って、簡単に言えば「組織=人の集まり」の「性質を知る」ことにより、その「人の集まり=組織」 が「幸せに(この言葉の定義も難しいところですけど)」なるための「方策」を定めることだと思うのです。

最近流行りのティール組織論。これを組織論、と見た場合に、、、ではありますが、ティール方組織を「日韓関係」に置き換えることができるでしょうか?言い換えれば、日韓の関係をティール方組織にすることがでくるでしょうか?

もっと言えば、アメリカとメキシコ国境もしかり、パレスチナ問題もしかり。何れも、NOだと思います。

このことは、ティール組織論(くどいようですが、あくまで組織論としてみることができるとして)の適用範囲として、上限が存在することを意味しています。

ティールの適用限界。それを調べることは、本当の意味での「組織論」だと言えます。

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d3935 ラッタラッタ、、、(ティール組織について考える)

20190130 日本スピッツ:
僕、お散歩大好き! らったらった、、、♪

写真出典 Wikiの犬種 CC BY-SA3.0
無風凧が子供の頃、、、、祖父の家には、日本スピッツの「チビ」というわんこが居ました。走るのが大好きで、何度か首輪が外れた時に逃げ逃げ足の速い事!一度逃げたら、二時間くらい、一家総出で捕獲大作戦でした。

ラルーが書いたティール組織の最初の本には、わんこも従業員としてカウントされていると聞いたら、驚きませんか(笑)?組織の一員として、ワンコ、というのはある意味では理想論ですね。「チビ」は、組織の一員になれそうにはありませんけど(爆)。

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