いたずらに規模の大なるを追わず

これは、ソニーの設立趣意書からの一節です。

東京通信工業として産声を上げたソニー。今は世界企業の仲間入りをしているので、規模もそれなりに大きくなっています。創業者の井深さんの趣意書通りなら、規模が大きくなったのは、着実に規模が大きくなった結果、でしょう。

さて。

さいきん、主に飲食店系で、店舗数縮小、大規模閉店がニュースになっています。いきなりステーキ、アメリカではスターバックス、一昔前の有名な話は東京力めし、でしょうか。

これらの店に共通するのは、規模が急速に大きくなっている、ことです。これは、固定費(管理費)を割る分母としての店舗数が大きくなるほど、店舗あたりの固定費が下がることにより、経営を早く黒字化できる、という理由によるものです。、、、つまり、堅実に大きくなったわけではなく、計算尽くで大きくなった。だから、コロナ騒ぎで赤字店舗数が増えた、これが大規模閉店のカラクリです。

利益優先な事業計画(ビジネスモデル)を立てる、これは起業家、企業家としては当然のことでしょう。しかし、日本には「身の丈に合った」という言葉が有ります。身の丈が伸びたら、店舗数も増えていくのだ、ということを改めて起業家の方は肝に銘じて欲しいと思います。

 

| | コメント (0)

COVID-19: コロナ対策におけるナチュラルリスク

GW(我慢ウイーク)が終わり、緊急事態宣言解除に向けての話題が人口に膾炙しています。この2,3日は、特に頻繁のような気がします。

全部を見ているわけではないので(そもそもそんなことは不可能)、無風凧が見聞きした感じ、で恐縮ですが、「解除ネタ=自粛疲れ=気のゆるみ」とつながっているようで、皆様には「まだ終息していない」ということを強く意識してほしいと思いますし、まだまだ先が長いことを自覚して行動してほしいと思っています。

さて。

この「気のゆるみ」とは別に、確信犯的に「スーパースプレッダー」になる可能性のある行動をする方がいます。世の中の90%以上の人が「人との接触を避け」ている状態であるにも関わらず、例えば、パチンコに行くとか、旅行に行くとか。私権の範囲で行動制限はできない、というのは確かにその通りですが、常識からは大きく外れた人だ、とは言えるでしょう。

この「常識から大きく外れた人」というのは、ある一定の割合で存在します。というか、完全にゼロにすることは不可能。言い換えれば、どんな良い施策を立てても、それに従わない人がいます。

この「常識から大きく外れた人」の行動は、「千丈の堤も蟻の一穴から」でいう正に「蟻」の行動です。COVID-19に感染していることが分かっているにも関わらず、バスに乗って長距離移動する方が、その良い例だと思います。

実際にその感染者から感染してしまった場合、新たに感染した人は「交通事故」にあったものだと思って己の不幸を恨むしかありません。

つまり。

どんな優秀な施策を作っても、「人の行動原理を100%左右することはできない」ために、遂行できないことがあります。このように、「(民主主義化で許されている)考え方の違い」が蟻の一穴になるわけです。

もちろん、人はミスをする動物ですから、例えば陽性と陰性を間違えて伝えたために感染が広がる可能性はゼロではありません。これは、個人の「ケアレスミス」というナチュラルリスクに分類されます。100%、人が起こしますが、止めることは不可能です。しかし、ここで述べている「常識から大きく外れた人」の例は、「考え方の分布によるリスク」です。その人は「意図したとおり」に行動しているにも関わらず、その行動が社会的にはリスクになる、というものです。

これも、「人」の考え方の「統計的な範囲」を超えたものだいうことができるので、ナチュラルリスクの一つです。大勢の人があつまれば、必ずやこのような「常識を大きく外れた人」は存在ます。この人の存在で、せっかくの施策は水泡に帰することになります。この手の人の存在=ナチュラルリスクには、「罰則」による強制手段を取る、もしくは、フェイルセーフな施策を行う、しかありません。、、

そのような視点で見たときに、今の政府対応は、満足のいくものですか?無風凧には、とても満足はできません。

蟻の一穴を許さない、それ以上に、蟻が存在しても壊れない堤防(施策)、それが政府に求めらえるリーダーシップです。

 

| | コメント (0)

COVID−19:目標の作り方(2)

さて、今日は少し「経営戦略のケースメソッド」として、COVID-19を扱ってみたいと思います。

小さなグループ、サークル、家庭、大企業、政府、国民全体、、、、どんな「組織」においても、何かを達成するためには「共通の目標」を持つ必要があります。ビジネススクールなどでは、「ビジョンの共有」とか言われることがあります(注)。

かつて、このブログでも選挙戦略を例にとって、目標の作り方、という記事を書きました(こちら 参照)。この要諦は、

「ビジョンとマイルストーンの分離」
「実現可能なマイルストーン」

の二つです。この視点で、COVID-19の政府施策や各都道府県の発表をみてください。

例えば、三密。これは、最終目標(ビジョン)ですか?マイルストーンでですか?くわえて、実現可能性はどうなってますか?

などなど、三密は、とても曖昧な位置付けです。このように考えると、三密は「良い目標設定ではない」と言えそうです。

では、COVID−19の場合、どのような「目標を設定」すれば良いのでしょうか?

もちろん、ではありますが、

「コロナウイルスから、元の日本を取り戻そう!」

細かな文言は別として、共有できる目標だと思います。その上で、

「新感染者数が0になって、2週間経てば、緊急事態宣言を解く」

というような、具体的な形で、最終目標を数値化(見える化)します。

数値化できると、マイルストーンの設定が分かりやすくなります。例えば、

1) 新感染者数の増加を、4月30日までに国内100以下にする。100をきれば、近隣での買い物は可能とする。

2) 5月10日までに、全ての県で、2週間、前日を上回らないようにする。こうなれば、県外への移動を可能とする。

というように。これは、PCR検査数に依存する部分があるので正確な感染者数とは言えない部分がありますが、目標として数値化できたことで、「未達成」の場合の、「マイルストーン変更」が可能になるという意味でも、現在の人の接触80%減や、不要不急の外出自粛、そして、店舗への休業要請よりは、わかりやすくなります。

ただ闇雲に「休業要請」や「外出自粛」では、、、国民は疲弊していくだけです。

阿倍さん、小池さん、そして全国の首長のみなさま、参考になりましたでしょうか?

 

 

| | コメント (0)

○○Payの根拠となる法律

流行語大賞が発表になりました。今年を象徴するラグビーの「ワンチーム」、、、予想通り、と思った方は多いのではないでしょうか?

無風凧は、○○Payに注目していました、、、、受賞は、PayPay株式会社ですが、なんとかPayというのが濫立しています。何がなにやらよく分からない。一昔前の電子マネーブームに輪をかけて、「わけのわからない状態」になっているように感じます(電子マネーとなんとかPayは全く意味が違いますね)。

少し不思議なのが、法体系です。無風凧は、15年ほど前に、今の「○○Pay」と同じ仕組みを特許化しようとしたことがあります。その頃は「ポイントマネー」というペットネームをつけていました。この時は、特許担当から「貨幣代替は法律が許さないから、特許は無効になる」と説明を受けて、出願を断念しました、、、どう見ても、今のPayPayをはじめとするCashless Monayは、無風凧のポイントマネーと同じ仕組みなんですけど、、、何か法律が変わったのでしょうか?それとも、当時から合法だったのでしょうか?

すごく大きな特許を一つ、損した気分の無風凧です(こういうのを「負け犬の遠吠え」と言います。)。

 

| | コメント (0)

合奏団、、、想定外のブラック

ここ数日、ブラック企業を色々な角度から考察しています。

そうこうしていると、「ブラック事例」が飛び込んで来ました。これは、ブラックの中でも「パワハラ系だな」と思いながら、想定外の「ブラック」なので、記事にします。

組織論では、指揮命令体系をよくオーケストラに例えます。そこでは、指揮者がマネージャーです。良い指揮者=マネージャーが居るオーケストラは、良い音楽を奏でることが出来ることは言うまでもありません。

報告をくれた方の話では。その合奏団は、演奏者のレベルが揃っていないのだそうです。必然として、演奏がうまい人は出番が多く、下手な人は少ない。出番の多寡でブラック化する、若しくは、うまい人は出番が多すぎて休めなくてブラック化、、、、かと思ったら、違うブラック化が起きてました(だから、珍しい。だから、記事になる)。

殆どの楽隊は音楽監督や指揮者が色々な決定権を持っています。その合奏団は、常任指揮者が権限を持っているのだそうです。乗り番、降り番の決定権は常任指揮者一任。だから、演奏家の都合などお構い無くメンバー選定を行う。好きな言葉が「俺が決めたんだから、休むのは許さない」。

ついでに。

練習日程も、指揮者や一部の運営委員都合で直前にきまり、都合がつかないメンバーも多い。そんなときには「プロの自覚が足りない」と宣う。典型的なパワハラです。

ハーモニーが何よりも大切な楽隊でも、ブラックがすることがある、事例でした。

| | コメント (0)

スペイン土産のコースターを見て考える。

スペイン土産で、コースターを二つ戴きました。

薄い木製のコースターで、六角形。

この二つのコースター。大きさが微妙に違う。良く見ると、六角形も正六角形ではない。手作り感が漂っています。

このコースターを見ながら考えました。

日本なら、、、きっと、ぴったり同じ大きさで、正確に正六角形のコースターをお土産品店にならべるでしょう。と言うのも、コストを下げるために人件費を削り、その分工業製品化する。だから、大きさも形も全く同じものが出来上がる。

スペインだと、、、よく分かりませんが、子供が家計を助けるために手作りしていたり、、、だから不揃い。

たかがお土産、と言うと失礼かも知れませんが、わざわざ資本を投下して効率化するようなものでは無いのではないでしょうか。手作りの人たちに仕事を残す。ある意味で、とてもエコな生産方式です。

現代の資本主義社会では受け入れられ難い考え方であることは理解していますが、このようなローテクな産業を大切にすることも、社会全体では必要だ、と無風凧は思っています。


| | コメント (0)

にわかラグビーファン増殖中!(ビジネスの初歩)

いささか旧聞ですが、、、、ラグビーのワールドカップ予選リーグ。日本がアイルランドに続いてサモアも撃破しました。パチパチ。これは決勝進出も夢じゃない、って感じです(確率的には90%以上進出するでしょうね)。

日本中どこに行ってもラグビーラグビー。プロ野球のセントラルリーグのChampion Seriesや、ドーハでの世界陸上が霞んでいるように感じます。日本中に「にわかラグビーファン」が増殖しているようです。

この状況を見て、、、ビジネス戦略の良いケースだと感じた、というのが今日の記事です。

まず。大前提(意外とビジネス界の人も見落とし勝ち)は、可処分所得と可処分時間には上限(飽和値)があるということ。

聖徳太子のように一度に7人の人の話を聞くことができるというのであっても、可処分時間の上限があります。

このように考えると、俄かラグビーファンが増えるということは、サッカーファン、陸上ファン、野球ファンの時間の一部がラグビーに取られている、ということ。つまり、顧客(ファン)獲得の競争戦略の中では、「ラグビーに負けている」ということ。もちろん、スポーツ全体としてみれば、ほかの趣味に使う時間がスポーツに移ると考えることができれば、サッカー団体人や陸上団体人も喜ぶかもしれませんが、、、

ここまでは、初歩。

TV番組と視聴率の例を考えてみましょう。Aテレビ局が放送することができるスポーツは、同じ時間には一つだけ。その意味では、ファンが一人でも多い方が、番組として採用される確率が上がります。俄かラグビーファンが増えれば、ほかのスポーツは放送されません。たとえば、「実際の可処分時間比率」が、6:4であっても、放送事案比率は、10:0 になるのです、、、こうなってくると、放映権料が収入源であるスポーツの団体は、顔色が青くなるのではないでしょうか? ラグビーファンのにわか増加が、自分たちの収入に打撃を与えます。

このように考えると、新聞や雑誌は、比率を守ることができるでしょうから、各スポーツ団体にとってはそちらの方が具合が良いのかもしれませんが、新聞業界や雑誌業界も少ない原資の「効率的活用」のためには、ラグビーに比重が移るのは仕方がないことです。つまり、資本がラグビーに映るというのは、可処分時間が映るよりも、インパクトが大きい。

さらに。

ビジネスの規模は小さいのですが、グッズ販売にも影響があります。まず、可処分所得のシェア争いに負けるのは、上述のファン獲得例と同じなのですが、生産に関してはもっと深刻です。「にわかファン」は、「この時期のファン」ですから、グッズも「便乗で作りきる・売り切る」のが鉄則。だから、「不足しているグッズの緊急増産、緊急配送」が当たり前。経営者の視点でみれば、従業員を馬車馬のように働かせる。運送業者はトラックを飛ばして、、、ブラックな業界が「よりブラック」になります。そして、緊急増産時の雇用は、この時期を過ぎればなくなる、、、

このように考えれば、想定以上の「にわかファン」の増加は、経済にプラスの影響だけではなく、マイナスの影響もばかにできません。

とか、書いていますが、、、、無風凧も、13日のスコットランド戦には、ぜひ勝ってほしい、と思っているにわかラグビーファンです(爆)。

 

| | コメント (1)

H. ミンツバーグ

引越の準備をしていると、必然的に書棚を見返すことになります。毎日見ている書棚なのに、こういう時にぴょこんと「久しぶりに読んで頂戴!」って出てくる本があるから不思議です。

昨日出てきたのは「H.ミンツバーグ著 MBAが会社を滅ぼす」。

この本は、日本語タイトルが結構「攻めて」いますが、原題は「Managers not MBAs」というもので至って「真面目」な本です。

無風凧が組織論で学位論文を書いている最中の上梓でしたから、内容はよく覚えていて、ちょっと感情的な愚痴が多いような気もしますが至極真面目です。無風凧の「経営学教育」の一つのバックボーンです。10年経って再読して、やはり面白い著作だ、と感心しています。

所で、読みかえして、大きな矛盾・課題に気が付きました。

1) MBA教育は記述的なある必然があると「規範的に」書いていること。

2) MBA取得者というネットワークの効果に触れていないこと。

さらに。ここがもっと重要なのですが、

3) ミンツバーグもイノベーション教育について一家言ある方です。そして、イノベーションはボトムアップだ(現場思考)、というのが主張だと思っていますが、彼の「マネジメント教育」は「トップダウン型のイノベーション」を起こすことはできますが、ボトムアップ型のイノベーションは、原理的に起こすことができません。それに気が付いているから、2)の記述がなかったのかもしれません、、、、

などなど。

楽しい読書でした。

| | コメント (0)

「老後2000万円」問題の本当の問題点

先日来、年金不足2000万円問題、がホットになっています(コチラコチラコチラ、など)。

事の経緯は省略しますが、現在問題点としてマスゴミが叩いているのは、

1. 老後に仕事が不要と言ったのはだれか? 

これは、言い換えれば、

2. 年金で老後は安定だと思っている民意と、政治家のギャップ

です。すべてはこのギャップをいろいろな形でネタにしています。しかし、この年金2000万円問題の本質は、、、少なくとも、すべての為政者が間違えないようにしなくてはならないことは。

A. 専門家の資料を自分で精読することなく非難してはならない

麻生大臣は、自分の意見と違うとか、全部読んでいないとか、正式には受け取らない、とか発言していますが、これこそが、「為政者がやってはいけないこと」です。

金融庁のレポート、読んでみてください。そうそうたるメンバーが、何千万円もかけて作っているレポートを、受け取らない、、、言い換えれば、「自分の思い通りの結果でないから受け取らない」というのは、筋が違いすぎます。もし、客観的事実として違う、という点があるのならば、それを指摘しなくては、担当の大臣としては失格でしょう。

すべての国会議員、、、国会議員に限らず、須らく「客観的事実」は尊重しなくてはならないと思いますし、事実に基づいた議論を阻害してはならないと思うのです。もちろん、今回の場合は、金融庁のレポートが客観的事実ではないかもしれませんが、少なくとも「どこが違うのか」を指摘しなくては議論がスタートしません。

これは、、、労働統計問題の時も同じでしたね。自分に都合の良い点だけを報告する、というのは、為政者の特性でしょうか。

老後2000万円の本質的問題は、客観的事実を議論しようとしない議員の体質、にあると言えます。

 

| | コメント (0)

「脱YES」のススメ

ビジネスの世界で、、、特に20世紀のMBA取得の方々と話をしているときに多いのですが、議論や提案に対して「とりあえず3秒でYes」と答える方がいます。

たとえば、仕事を依頼された場合、「YES、基本進めましょう」と合意したうえで、But,,,とつまり、細かな条件を詰めていく。無風凧は、この「3秒YES」な方々とは、仕事をしたくないな、と思っていますし、相手にどのようなことを思われようと「まずは条件を詰めましょう」と話を続けます。

事例で考えましょう。

あなたはあるソフトを発注します。自分なりに仕様書を書いていますが、それに対する「質疑」がないままに「受注します」というソフト開発会社は多い。こういう場合、いざ開発にはいると、「それは想定していません」「それは書いていません」、、、となんだかんだ言って、結局契約金が吊り上るか、違約金だけ取られておしまい、、、となります。けっして、受注側も「ウソ」を言っているつもりはないのでしょうけど、発注側のあなたとしては「ウソつかれた」と感じることになります。

これは、ゴール共有ができていないのにプロジェクトが走り出すようなものですから、うまくいかないことは自明なのですが、ついついMBAな方々は、最初の「YES」を信じるというか、言わなきゃいけない、というような感覚に陥っている方が多いようで(つまり、Desisionは早く、の具現ですが)、YES と答える方が多い。

だから、無風凧は主張したい。「まずYES」と答える方は、初対面の仕事の相手としては要注意。きちんと「条件」つめてから「YES」がいえる方と仕事をしなくてはいけません。そういう意味で、皆様も、相手の主張にまず「YES」と答えるのではなく、条件をキチンと詰める癖をつけてほしい、、、つまり、「脱YES」を奨めたいと思っています。

20190616 鷽くん:
僕の名前は「うそ」と読むんだけど、「うそつき」じゃないからね。

写真出典 Wiki の 鷽 より
鷽のオスは、首の回りが赤いのだそうです。これは「真っ赤なウソ」ではありません(笑)。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧