博士増員計画

文科省が、またまた可笑しなことを発表しました。「博士3割増員計画で年間2万人」だそうです(コチラ など参照)。この記事中には、「人工知能(AI)に関連した論文の割合を現状の世界10位から5位に引き上げ」とも書いてあります。これも噴飯ものです。

まず、博士3割増員計画ですが。

記事によると、博士を取ることを「目標」にできる体制を抜きしにして、科研費を始めとする「成果に直結する予算」を増やしています。まあ記事を読まなくても、文科省の官僚たちの考えることは想像できるのですが。要は「現場を知らない官僚」ということになります。

研究の現場で何が起きているか。科研の枠組みが、如何に既得権益的で形骸化されたものであるか、などは理解が出来ていない。

本当のイノベーションは、「科研に外れた研究」の中から見つかる可能性がたかいと断言できます。というのも、10年後20年後の世の中を正確に予測できる人はいないから。今更AI関連論文を10位から5位に、というのは、その言意味からも合点がいきません。5年後くらいは何とかなるでしょうけど、その為に今から博士増員しても、泥縄、って感じです。

それにそもそも10位から5位にって、どういう基準で作るのでしょうか?まさか、上海ランキングやTHEの結果での順位をさしている?とすれば、猶の事、論文数の順位を争う意味はなくなってしまいます。

それに、ホリエモンさんも先日行っていましたが、「全員がB(平均点)になるような教育」を続けている以上、上記の結果は必定ですし、悪貨は良貨を駆逐するではないですが、無理をした博士の増員は、本当にやる気のある人、を腐らせてしまいます。

もし。本当に将来の学力・競争力に危惧を抱いているのなら、このはなせ3割増計画は廃案にすべき、と無風凧は考えます。

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熊の倫理、人間の倫理

アーバンベア問題が収まりません。人間にとっての「被害」はどんどんひどくなっているようです。秋田県では、自衛隊が活動を始めたとのニュースも流れています。

動物愛護家の方の、「殺すな」の声も、最近のネットニュースでは下火になってきているように思いますが、実際はどうなのでしょうか?報道機関には、そういった意味でも「正しく客観的な情報」を報道してほしいと希望します。

さて。

アーバンベア問題を論ずる時に、必ず出てくるのが、「棲み分け」問題。つまり、人の居住域、熊の居住域、そして、その中間としての「中間域」と3つにわけて、居住域から出ないように、中間域に出てくれあ駆逐、というような考え方です。

これって、的を射ているようで、実は何も解決していないのではないかなあ、と無風凧は思うのです。というのは、熊が「自分の居住域」に住むことの正当性を「理解」しなければ、単に人間のルールの押し付けになります。熊にとっては、居住域も中間域も、いや人間の居住域も差を認識していませんから。人間同士であれば、国境をつくれば解決できますが、それはお互い「自分の地域」を認識す、相手の領地を侵食しない、という倫理が働いているから。

熊にとっての倫理は「自分の餌を得る」事だとすれば、そもそも「棲み分け」で解決すること自体が熊にとっては理解できないことになるのです。

そこで。

少し夢物語かもしれませんが、無風凧はこういう方法を考えました。

特定の熊と人間(動物学者)でまず、何らかのコミュニケーションをとる。そして、ずい分先になるかもしれないけど、「棲み分け」という考え方を共有する。その上で、棲み分けすることを同意する。

相手が動物だから無理だ、と思う方も多いかもしれません。しかし、かつて言葉の通じない異国人どおしは、何らかの手段でそのコミュニケーションをとってきました。それに、メイヤーの「動物の言葉」にあるように、殆どすべての動物は、動物内のコミュニケーションをとりますし、人間と会話できる種も少なくありません。まして、LLMが発展した来た今、人間が熊の「言語=感情や行動意図」を理解することは、10年前に比べて、遥かに容易になっています。

ぜひ。

時間はかかっても、熊とのコミュニケーションをとる工夫をしてほしいものです。

(それまでは、駆除も仕方なし、ですね。)

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36日目

アメリカ合衆国の政府一部閉鎖が、ついに最長記録を更新です。これまでは、2018年~2019年の35日が最長でしたが、昨日11月5日で36日となりました。小心者の無風凧(笑)としては、アメリカの今後を大いに心配します。

過去の最長であった2018年の政府閉鎖も、第一次トランプ大統領下でのことでしたから、トランプ大統領は、政府閉鎖を恐れていない、ということになります。

恐れていない=ダメージは少ない、ということですが、実際はどうでしょうか。確かにトランプ大統領の「懐」への影響は小さいでしょうけど、政府職員の給料も支払われていない状態。GDPで180億ドルの損失と試算されていますし(コチラ 参照)、トランプ大統領の支持率にも確実にマイナスの影響を与え始めています(コチラ 参照)。

このやり方は、競争戦略の中で最大利益を狙う場合に採る戦略としては一理ありますが、最小不幸を目指すべき政治家のとるべき戦略ではありません。少なくとも、国内に対しては、リスクが大きすぎます。

関税問題でも孤立化が叫ばれているトランプ大統領、「和をもって貴しとなす」日本人には、なかなか理解できない方のようです。

追伸: 36というには、平方数であり、三角数である最小の数字ですね。脈絡ありませんが。(笑)

追伸2: 合衆国政府としては、今回が最長ですが、カリフォルニア州では、かつて63日の州政府閉鎖があったそうで、驚きです。

 

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昨日の続き。(入学前教育2)

入学前教育で思い出すのは、無風凧にとっては高校入学前の学習。(大学でないので、少し事情は違いますが)。

よく覚えているのは数学なんですが(無風凧は数学大好き)、高校生向けの参考書(青チャート)を1冊渡されて、全部やってくること、以上。

一か月で全部目を通すだけでも大変だった。英語も、似たような感じだった、、、理科・社会は課題がなかったように思います。

高校入学に向けて燃えている時だったから、1か月、ずい分頑張った記憶があります。受験勉強より厳しかったな、と今は思いますが、入試のような「切迫感」はなく、ワクワク感でチャレンジしたことを思いだします。とはいえ、最初に実力考査は惨敗だった(涙)。

こういう入学前教育なら、つまり、先取りの学習なら「やる気のある生徒」にはすごく効果的ではないかと思います。

翻って今の大学は、手厚いサポートをしすぎ、なのかもしれません(昨日の記事参照)。

試験を行うよ、とだけ言って、テキストを渡す。落ちこぼれる学生はそれまで、と腹をくくれば、それが一番良いのではないかなあ、、、暴論ですか?

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入学前教育

最近の大学は、所謂「入試(一斉に行うペーパーテスト)」ではなく、総合選抜を始めとする、昔でいうなら「推薦入試、AO入試」による入学者選定が増えています。

ペーパーテストは、一発勝負の為、その日の体調などによる「ブレ」がありますが、総合選抜等は、何度かの面接をおこなったり、高校の内申点などを重視する為、「ブレ」が少なくなると言われています。

年内に進学先が決まる為、大学も学生も高校教諭も「安心」することは間違いありません。

反面、合格決定後の学生の「学修」に大きな課題が残ります。ペーパーテスト組に比べて、約半年早く入学が決まります。高校3年間で見れば、6分の1です。端的に言えば、学修時間が6分の1、すくないことになる生徒(入学生)が多い。

たった6分の1、と思われるかもしれませんが、この差は意外意外と大きいし、なんといてっもペーパーテスト組は「追い込み」を経験しますから、ある意味では「学修の仕方」をおぼえますが、大半の総合選抜組はその「学修の仕方」をおぼえずに入学します。

結果として、大学入学時の学力差にバラツキが大きくなると共に、経験的には学力が「下がる傾向」にあると無風凧は感じています。

この差、、、を入学前教育と称して、大学側から課題を課していることが多い。でも、それも何となく、変だなあ、、、。

学生にしてみれば、大学からの課題と高校の課題の両方をすることになるし、何といっても「先生が二人居る(大学と高校)」状態になり、どちらのいうことをきけば良いの?みたいな状態になります。

そんなことをつらつら考えていて。

やはり、大学は希望学生全入制度(初年度~2年度はオンライン重用)、そして、科目ごとの「合格点」を厳しくとり、学内淘汰を旨とする。そして、転学(学校間流動性)をあげて、専門性をより深めるようにする、、、、このようにするのが良いのではないか、と思うのです。

結果、大学の序列化(ランキング)は、進むでしょう。しかし、そこは大学毎に「特色を出す」部分でもあります。その特色を生かすことが出来なければ、18歳人口が減っていく今後、大学として生き残れないことも必定ですから、丁度良いのではないでしょうか?

ある意味暴論とは思いますが、ちょっと私論を述べてみました。

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熊は神の使い

熊。アイヌ語ではカムイ。山の神を表します。

確定した学説ではありませんが、熊と神は語源的には同一であるという説もあります。

昨今、熊の出没が記事になる事が多いのですが、これを「神の使い」と考えると、何を言おうとしているのでしょうか。

熊と人が共生するためには、直接の争い(ヒトにとっては被害、熊にとっては駆除)はできるだけ避けたい。その意味では、ゾーニングを始めとした「棲み分け」が大切です。

翻って、日本の人口動態を考えてみましょう。少子高齢化が叫ばれ、消滅都市が取り沙汰されています。過疎化は、経済的負担・生活安全などの観点からの推奨されるものではなく、良い意味での人口集中が必要になってきています。地方創生など、色々な施策が頑張っていますが、少子高齢化のトレンドは向こう30年変わりません。

その間の最良の策の一は、都市の集中。幾つかの市町村を合併して、できれば10万~30万都市にする。それでも少子高齢化が止まるわけではありませんが、現状よりは改善方向になります。

つまり、熊が出てくる=ゾーニングの対象→ 都市の合併 という流れが見えてきます。いま、私たちが思っているよりも広い範囲でゾーニングすることにより、熊との遭遇を減らすとともに、人同士は人口密度を上げることにより少子高齢化を緩和させ、経済的にも上向きにすることができる。

このように考えると。

やはり、熊は神の使いなのだろうな、と改めて思います。なかなか進まない地方創生。解決策の一つは都市の合併と地方都市人口密度の向上。組熊が出る地域をゾーニング地域とすることで達成できます。

神様は、そういう青写真を描いているのではないか、と感じます。

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東急の電車接触事故の原因は防げるのか?

10月5日の深夜、東急田園都市線で電車同士の接触事故があり、田園都市線は翌日も含めほぼ不通の状態になりました。被害を受けて皆様、迂回路などお疲れ様でした。出費も嵩んだことでしょう。

さて。

この接触事故の原因が、実は10年前に設計した際の設定ミス、だったとのことです(コチラ など参照)。

これは、設定ミス、という書き方をしていますが、無風凧の感触では「ソフトウエアの設計ミス=プログラミングのミス」に近いものだと考えています。

というのも、接近判断の判断ルーチン(オブジェクト、古いいい方ならファンクション)に対する検証が、不十分だったということを意味していると考えられるからです。

いずれにしても、10年間、よく事故らなかったなあ、、、というのが実感。同じ3650日(つまり10年)、電車は同じ間隔で動いているのですから、同じような場面は少なくとも3650回ほどあったわけです(実際は、違う時間にも同じ状態があるでしょうから、その何倍も事故になる可能性がありました)。

では、この種類のミスは撲滅できるのでしょうか?

実は、プログラムが絶対正しい、ことを証明することは不可能です。そう考えると、今回の東急線の事故を撲滅することは、精神論的には可能かもしれませんが、現実的には出来ない、ということです。勿論、今回の場所だけに関して言えば、修正できるでしょうが、他に「設定ミス」が無いことを証明できない、ということです。

DX化で色々便利になってはいますが、その分、隙が出来ていることも事実。人為的にはどうしようもない部分です。無風凧的には、Natral Riskと分類しています。Natural Riskは金銭解決以外ない、と思っていますが、その前に、リスク対策、、、例えば、事故が起きたときに、東急はバスをどのようにリカバリーに使うか、などの検討をして、少しでも、被害が小さくなるような施策をしてほしいと思っています。

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働いて働いて働いて、、、、

高市新総裁の、当選の言葉がバズっています。(コチラ など参照)

いわく、

「ワークライフバランス捨てます。働いて働いて、、、、」

いま、WLBをいかに保つか、が国民の関心事。霞が関も過重労働で職員減が叫ばれる中での発言ですから、少し驚きです。

しかし。

無風凧は思うのですが、WorkとLife、つまり、社会的な時間と私的な時間のバランスをとることは、本来的には意味がないこと。一例はステルス残業にみることもできますし、「しずかな退社(会社にはいるけど、仕事をしない)」ということに、見ることが出来ます。また、研究職にはありがちですが、そもそも研究は生活の一部であって、「日常である」という方もいます。この場合は、社会的な時間と私的な時間の区別つけることが出来ません。

要は、精神上の「平衡」「均衡」を保つことが肝要なのではないでしょうか。

自分がやる気で、我武者羅にがんばり、達成感を得る。これは、精神的に良いことです。これはWorkであっても得ることが出来ます。

逆に、押し付けられた仕事で時間がかかり、達成感を得ることが出来なければ、どんな場合も達成感を得られない。ならば、金銭(給与)でその分を補填して精神の均衡を保つ。

その均衡こそが大切だと思うのです。その意味では、Work Mental Balance というべきでしょう。

高市さんが、自分の時間を働いて働いて、、、とするのは、上述の精神と均衡がとれるのでしょうから是非頑張ってほしい。しかし、周りの職員は、必ずしも同じではない。だから、Work Mental Balanceを保てるような、指示をするようにして下さい。例えば、調べもの一つにしても、部下丸投げで締め切りいつまで、というのはNG。WMBを考えて、無理がないようにする。

それが上に立つ者の最低限の仕事だと無風凧は主張します。

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プランBの重要性

アサヒ飲料へのサイバーテロ、なかなか復旧できません。実害が大きくなっています(コチラ など参照)。

過去にも、トヨタを始め同様のテロが起きていますが、なかなか、「対応」に苦慮しているのが現状です。

ここで少し考えてみましょう。もし、銀行で同様のテロを受けたら。資産凍結、というか、入金も出勤も何もできない状態になってしまうと、どういうことが起きるでしょうか?4日も銀行機能が停止すれば、日本で幾つの会社が倒産するのでしょうね。それくらいのインパクトがあります。

更には、マイナンバーカードも同様。根幹部分をテロが襲ったら、保険証も免許証も何も使えないという状態になります。

勿論、テロだけではなく、「不具合(故障、システムダウン)」も同様の状況を引き起こします。さらには、電気が止まったら?

政府を始め、銀行も病院も「安全性」をうたう事は多いのですが、いざ「災害が実現」した時に、「どの様に通常を担保するか」の話をすることは有りません。何もできずにウロウロ(電話対応などするでしょうけど、結局謝るだけ)する。そして、システム担当者だけが過労状態になる、、、、これが繰り返されています。

その意味で。

プランBは大切です。何か起きたときに「どうやって通常を担保するか」もしくは「お客様に迷惑を掛けないか」と言い換えても良いかもしれません。

これまでの事件・事故で、この手の「PlanB」がまともに作動した例を無風凧は知りません。少なくとも、今回のアサヒ飲料は後手にまわっていることは確か。

被害にあった会社には同情を禁じえませんが、それ以上に「なぜPlanBを構築していなかったのか」という責任を問いたくなります。

これからの時代、どの様にサバイブするか、賢明な判断が必要です。

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自然災害とインバウンド

今朝、またカムチャッカ半島で大きな地震がありました。(コチラ など参照)

カムチャッカ半島の大地震は、7月以降3回目です。何れもM7以上。今回も7.8でした。初回が一番大きかったので、余震と考えることが妥当だとは思いますが、それにしてもいつまで続くの?という感じです。(そういえば、昨日は久しぶりにトカラ列島でもM4.7(震度5)の地震がありましたね。こちらもいつまで続くのでしょう?)

現地の様子(映像・画像)は拝見できていませんが、ずい分大きな被害が出ているものと思われます。

同じ大きさの地震がもし日本で起きたら?と想像してしまいます。

先日、8月のインバウンド(訪日外国人)が300万人を超えた、という記事がありました(コチラ、など参照)。

オーバーツーリズムが問題になっていますが、M7クラスの直下型地震が日本を襲ったら、と心配してしまいます。

日本人は、日本は災害大国・地震大国であることを知っていますから、避難生活もなんとかなると思います。でも、地震を知らない国の方が、どのような行動を起こすか、想像ができない部分があります。

緊急時の規律(ルール)と権利(個人主張)の割合は、国民性によって大きく変わります。日本は和の国(輪の国)と呼ばれますが、その中にインバウンドの方を入れることがどれくらい大変なことか、想像に難くありません。

インバウンド、観光立国の1つのリスクとして、国レベルで対応を考えていかなくてはならない問題だと無風凧は主張します。

追記: このような観点からも、無風凧は、観光立国(インバウンド需要頼みの政策)には、賛同できません。

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