池辺晋一郎先生のトークより

1929年は、日本人作曲家の当たり年。その1929年生まれの作曲家の作品を集めた演奏会に行きました。この演奏会は、池辺晋一郎先生の企画とのことで、曲の間のトークは池辺先生。そのトークの中で、とても面白いことをおっしゃってとので、今日はその話。

昔の作曲家は、お互いを批判して切磋琢磨したご、最近の作曲家は、お互いを誉めてお仕舞いだ、とのご発言をされました。

これは、とても重要な事だとおもいます。批判すること、そして、冷静に批判を受け入れることは、誰にでもできることではありません。昔の作曲家たちは、それをこなしていた、、、奥が深いと思います。


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無音の音

最近、ちょっと聴覚過敏が再発しているようで、無音な状態が苦手です、、、と書くと、ちょっと変な感じがするかもしれませんね。

普通の状態では問題ないのですが、演奏会前は一瞬の静寂になります。そして、無風凧の耳は、今始まるであろう演奏に集中している、、、そんなときに、たとえばキーホルダーについている鈴の音や、しわぶきや、咳など想定外の音が耳にはいると大変なことになります。耳の中で反復して、大きくなります。

そうなってくると、今度は「無音の音」が聞こえ始めます。ホワイトノイズのような「ザーッ」っていう感じの音。「静かすぎて耳が痛い」という表現がありますが、それとはちょっと別です。これが止まるのは、演奏にのめりこめたとき。そうでなければ、相当長い時間、ザーッという音に悩まされます。

夜中の仕事中などは、耳の感度が低いからでしょうか、救急車のサイレンなども、いうほどキツくはないのですけどね。

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神憑りの名演(R.Guerra)

ピアニストという職業の特性上、その日の演奏に「出来不出来」があることは避けて通れません。何が原因か、、、練習不足、などというのは持っての他ですが、観客の小さなしわぶき一つが気になって集中が切れることもあるでしょうしし、調子が良すぎて暴走してしまい、、、などということもきいたことがあります。

先日伺ったR.Guerra さんのピアノの演奏。Guerraさんのピアノは、いつも楽しい気持ちにさせてくれるので、毎年伺っています。今年は、何を聞かせてくれるのだろう、、、とわくわく(もちろん、チラシは頂いているので曲目も存じ上げてはいるのですが)。数年前に一度体調を崩されましたが、その後はだんだん復活してきていました。

そして先日の演奏会。お得意のポンセ、リスト、そしてガチェック(Guttschalk)の曲目というラインナップ。この日の演奏会はどの曲をとっても完全復活、というよりは、「真・Guerra伝説(真・コジラ伝説を文字っている)」の幕開けを宣言するにふさわしい名演でした。特に、Lisztのハンガリー狂詩曲2番は圧倒的な演奏。無風凧も、これまで幾多のハンガリー2番を聴いてきたか記憶にもないほどですが、Guerraさんのこの一曲はその頂点。後半のプレストの部分では、Guerraさんも笑顔で楽しそうに、弾いていて、、、まさに神憑り的な名演でした。

こういう「名演」を聴くことができることは、本当に幸せなことです。Guerraさんに大感謝です。

蛇足:
ハンガリー狂詩曲2番は、カラヤン指揮のオーケストラバージョンで聞いたのが小学校4年生の時。これが最初だと思います。トムとジェリーで使われたのをアニメで見たときに、クラシック音楽をアニメに使う、ということを初めて意識しました。

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Baryton

無風凧は、Baritone です、、、と書くと、歌う時の声の高さを指していると思う方が多いと思いますが、ここでの Baritoneは、金管楽器の Baritone(バリトン)です(金管楽器の Baritone、Euphoniumの薀蓄を語りだすと長くなるので、今日はここまでにします)。そうそう、歌う時の声の高さは、高めのバリトンで、ファルセットもOKです!!

さて。今日の本題は弦楽器のBaryton。エルテルハージ・トリオのBarytonの演奏会に行ってきました。

バリトンな無風凧は、Barytonという弦楽器は知識として知ってはいましたが、見るも聴くも初めてで、興味津々で、、、共鳴絃付のチェロ、といった趣でしょうか、珍しい音を楽しませていただきました。ハイドンの作品が多かったのですが、曲の完成度は今一つ、、、な印象。ハイドンが作曲する際に、演奏家のエステルハージ公を想定してアテガキしたからかな、と思いました。

Barytonのブレッセルのスピーチの中で、「日本は高温多湿で本来のガット弦では切れやすい。だから、お箏で使われる生糸を張っている」と言ったのがとても印象的でした。

 

 

 

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三十絃箏の話(好きな音楽2019年5月)

みなさん、箏の絃の数が何本かご存知ですか?

一般的な箏は13本です。ですから、箏のことを十三絃、とよぶこともあります。

ただ、、、13本以外の絃の数の箏も存在します。よくつかわれるのは、十七絃、二十五絃、三十絃でしょうか。二十弦、二十一絃、二十二絃も時々見かけますし、歴史上は三十二絃、八十絃という楽器も存在します。

十三絃以外の箏は、だれが考案したか、がはっきりしています。「お箏」と聞くと随分古い楽器のように思いますが、十三絃以外は20世紀以降の楽器です。

十七絃箏は、1921年に宮城道雄が考案。チェロの音域を担うために作られました、、、その後、何度か改良をして現在の形に落ち着いています。

二十五絃箏は、野坂恵子さんが1991年に開発したもの。まだ30年未満の楽器ですが、ずいぶん広まっているな、と思います。ちなみに、20~22絃箏も、野坂さんの考案です。二十絃から、一本づつ増やしていって、二十五絃にたどり着いたのが歴史です。

八十絃も1929年に宮城道雄が考案しましたが、、、あまり完成度が上がらなかったようで、結局一面作られただけで、第二次世界大戦で焼失。今は、複製品(レプリカ)を宮城道雄記念館で見学することができます。

歴史の陰に隠れた箏としては、複大十七絃箏。一般的な十七箏がチェロの音域を担当するのに対し、複大十七絃は、コントラバスの音域。衛藤公雄氏が考案して、作成。録音も残っていますが、現物は修理に出した際に所在が分からなくなったとのことです。

さて、今日の本題の三十絃箏。

一般的には1955年に宮下秀冽氏によって考案された、となっています(こちら など参照)。二十五絃が20絃からの発展であるように、30絃と32絃はほぼ同じ楽器といえるのではないでしょうか。その32絃のは、、、

20190531 1952年に公開された「長崎の歌は忘れじ」のなかで、用いられています。京マチコさんが、映画の中で演奏しています。映画の音源は、衛藤公雄氏が十三絃で演奏しているようですが、少なくとも衛藤公雄氏が三十二絃箏を使っていたことは、事実のようです。(詳細は、こちら 参照。写真も、薫公会ブログからの転用)。衛藤氏の秘書だった方のお話では、衛藤公雄氏は三十二絃を考案され、戦後、進駐軍でのジャズで三十二絃箏を演奏していたそうです、、、

三十絃が、宮下秀冽氏、宮下伸氏によって改良がなされたことと、完成させたこと、そしてなにより、演奏で広めていった功績は揺らぐものではありませんが、歴史的な意味で「最初」は衛藤氏ではないかと思っています。Webページを通じて、宮下伸氏に問い合わせをしていますが、まだご回答をいただいていません、、、そろそろご返事いただけると嬉しいのですけどね。

付記: 京マチコさんは、つい先日の5月12日に他界されました。京マチコさんのご冥福をお祈りしています。合掌。

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絶版譜への対応

ここ数日で、絶版/版元切れの楽譜を3件、扱いました。各社、対応が異なり、そして、、、そのいずれも、「楽譜の違法コピーが蔓延するのは仕方がないなあ、、、」と思える対応でした。今日は、その3つのケースを紹介します。

1.A社の場合。

この曲は、演奏する為に同じ楽譜を複数欲しいと思い問い合わせをしました。無風凧は一部は持っているのですが、そのデジタルコピー(所謂コピー)は違法ですから、A社に問い合わせをしました。その結果、、、、

「弊社楽譜のデジタルコピーは許可しません」
「作曲者(実は既に故人)に、問い合わせをして原譜や複製に関して問い合わせてください。」

いずれにしても、無風凧のように「厳密に」著作権を考えている人にとっては、この楽曲の演奏は二度とできない、ということになります。若しくは、、、無風凧が「違法デジタルコピー」するしかありません。

2.B社の場合。

一冊900円で売っていた楽譜集が絶版。その中の一曲だけが欲しかったのですが、それをB社に問い合わせたところ、「一曲当たり、1000円+税」。、、、。どうしても欲しい曲だったので、言い値で買うことにしました。このケース、図書館で借りてコピーすれば30円で済んだ話です。せめて、一枚20円+郵送料程度なら、違法コピーは減るのですけどね。

3.C社の場合。
既に著作権が切れている楽譜。この楽譜はすでに何十年か前に一度出版されたきり。当時の出版社から辿ってみると、現在「貸し譜」として出されているらしい。その値段が、、、何と、1か月でX万円!しかも、演奏会を開くなら、更にY万円。著作権が残っている楽曲なら、演奏会に対して著作権料を徴収するのは法的根拠があると思いますが、没後50年を超えて(つまり著作権保護期間が70年に延長される前に50年を迎えている)著作権料を徴収する、、、しかも、著作権者ではないにもかかわらず、です。X+Yが約10万円として、、、200人の来客の演奏会の場合、満席だとしてチケット代に500円上乗せする価格設定。これは、かなり現実離れしています。逆に言えば、図書館に残っている楽譜や、音源を元にして耳コピで楽譜を作って演奏する、、、言い換えれば、「違法コピーする」ことの温床です。

上記3つのパターン。何れも「今でも出版がつづいていれば」安価で合法的に楽譜入手が出来るにも関わらず、絶版もしくは版元切れの為に、多大な費用がかかる、、、しかも時間がかかる。デジタルコピーなら時間もかからず、10円。

四角四面に遵奉すれば、違法コピーとなるのでしょうが、このような出版社の対応を見ていると、出版社側の対応にも問題があるように思います。

 

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真如法親王

20190513

鹿さん:
耳をすませば良い音楽が聴こえるな。

写真出典 パブリックドメインQ: 著作権フリー画像素材集
衛藤公雄作曲「真如法親王」という曲を聴きました。25年ほど前の、録音だそうです。こんな曲があったのか、、、と思える良い曲でした。

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10年たって、、、、

GW、如何お過ごしですか?無風凧は今日、打ち合わせのあとに久しぶりに渋谷のタワーレコードに行きました。

音楽が無ければ夜も明けないほど音楽好きの無風凧。ですが、最近は渋谷に行くことが少なかったことと、Youtubeが便利な事と、、、で、渋谷のタワレコは、思い起こすと10年振り程度。随分長いご無沙汰です。

7階にクラシックのコーナーがあるのは変わってなかったのですが、、、売れ筋のCDのPOPは、ルビンシュタイン、フルトベングラー、ハイフェッツ、朝比奈隆、、、、コチラの方も変わっていない。それに加えて、1970年~80年頃の録音、即ち無風凧がよく聴いた音源のリマスターCDが随分と多くて、目新しい録音も意外と少ない。

結果、10年たってもほとんど変わっていない。。。と感じます。

勿論、皆無とは言いません。でも、無風凧がよく通っていた頃は、いつ行っても新しい演奏家の録音があって興味深く見ていたのですけどね。これも、「ビジネス優先」「利益優先」でCDが製作されているからでしょうか。

このように考えると、クラシック業界の今後は、やはり暗いのかなあ、、、と思ってしまいます。もっとも、有楽町では、ラフォルジュルネが行われ、クラシック音楽も随分受け入れられているな、と感じます。ということは、CDというビジネスが単にオワコンなのかもしれません。

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鏡の中の鏡 (好きな音楽2019年4月)

今日で平成が終わります。TVも街も改元一色。随分お祭り騒ぎです。

昭和から平成への改元は、昭和天皇御崩御に伴う改元でしたから、こんな「お祭り騒ぎ」ではありませんでした。生前退位に賛否両論はあると思いますが、世の中が少しだけ「明るく」なっているような気がしますから、差し引きすると若干「プラス」だったような気がします。

さて。平成最後の夜、、、令和に替わる瞬間にどんな音楽を聴くか。

曲の背景や、表題の持つ意味などを全く考えず、単に「曲」の好き嫌いで一曲だけ聴く、という条件で、考えてみました。例えば、無風凧の大好きなFinlandiaは、フィンランド独立の立役者的な意味がありますが、そのような「背景」は考えずに、単に「何を聴きたいか」。Beethoven のピノソナタ32番、小山清茂「木挽歌」、シベリウス「アンダンテフェスティーボ」、、、色々考えたのですが、

結局選んだのは、

A.ペルト 鏡の中の鏡 (Youtube は コチラ など)

ゆったりとした、メロディと、素直な和音の中に、安心感と安定感。鏡の中というよりは、深海で泳いでいて、先の方から光が差し込んでいるような印象です。平成という時代がゆっくりとおわり、そして令和への希望、、、という感じでしょうか。いえいえ、このような解説すら不要な感じdです。

あと15分で平成が終わります。

 

 

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d3995 ライブハウス(好きな音楽2019年3月)

先日、、、赤坂Bフラットという老舗のライブハウスに行きました。Bフラットの名前は、ジャズにあまり詳しくない無風凧でも知っているほどのお店。とても楽しみにしていたのですが、、、

音場は、無風凧的には「ありえない」程、ひどいものでした。ライブハウスですから、「音場作りもライブ」。いつものことではないと信じていますが、、、

  • ピアノの高音部がハウリングしている(マイク位置の問題?)。
  • 座る席にも依るのだと思いますが、楽器の場所のスピーカが合っていない(音場がくるっている)
  • モニタースピーカが弱いからかもしれませんが、ソロが必要以上にマイクに近付いて大きな音を出す
  • 箱の大きさに比して、ドラムセットが大きすぎる   、、、等々

最終的に、ライブの成功失敗は演奏者自身の問題になります。上記の課題も、リハーサル時に確認できることだと思いますし、演奏時にホール内の音を感じることができれば、色々と副右出来るものかもしれません。でも、、、生音主体のクラシックとは違い、マイク&スピーカ前提のジャズは、演奏家だけでは良いライブは出来ません。Bフラットさんが、少しだけ、プレイヤーの気持ちを考えていれば、より良いライブになると思います。

次回に期待しています。


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