今年のCSA(世界コンピュータ将棋選手権)は、昨日無事終わりました。ネット配信を見ていましたが、人智を越えた指し手、というか無風凧には思いもつかない指し手も散見され、「将棋は、人はもうコンピュータには勝てない時代」になった感があります。
さて、ここからはランキングの話。総当たりのリーグ戦で勝率が同じになった時に、どのように順位をつけるか、CSAの決勝で説明します。(まずは、勝敗結果(コチラ) をご覧ください。下記にも引用しておきます。引用元は CSAの HP コチラ )
CSAの決勝は、8チーム総当たりのリーグ戦です。(いわゆるスイス方式ではなく、総当たり)。
勝敗表をみると、No.1の 「お前、、、、」と、No.8 の「dlshogi...」 は、同じ5勝1敗1引き分け、であることが判ります。
リーグ戦で勝敗数が同じになった時にどのようにランキングをつけるかは、幾つかの方法が提案されています。
1) 決勝戦を行う
2)直接対決の結果を優先させる
3)全ての対戦相手の勝ち数を競う(ソロコフ、スイス方式で用いられることが多い)
4)勝った相手の勝ち数を競う(SB、これは、スイス方式で用いられることが、多い)
5)勝った相手の勝ち数の平均(つまり、両端を切る)を競う(MD,これもスイス方式で用いられることが多い)
6) (将棋連盟で行われているB1以下のプロのように)以前のランキングに従う。
他にも色々ありますが、同率の場合のランキング決定手法は、事前に決めておく必要があります。
CSAの決勝は、6)の手法で決定する、つまり、決勝戦の並び順は2回戦(変形スイス方式で行われる2回戦の次が決勝リーグです)の結果ですから、1番上にいる「お前、、、」が優勝、ということに成ったわけです。
ここからは、コンピュータ将棋選手権の話に戻って。仮定の話ですが。違う決定方法、つまり、上述の2)を用いていたらどうでしょうか? 「お前、、」と「dlshogi...」の直接対決は、dlが勝っていたのだから、dl… が優勝になります。また、1)を用いた場合も、dl… が勝っていた可能性が高い。というのも、前日の2回戦で両者は戦っていて、その際は、お前… が勝利しています。しかし、一晩の間にパラメタ調整等を行っているでしょうから、一勝一敗で同等の実力というのではなく、開発した結果のdl... が 対 お前… では有利だったと考えるのが妥当です。
さらに。そもそも、dl…は、前回第33回に優勝していますが、今回は2回戦敗退だったところ(9位)、決勝辞退者が出たための繰り上げ出場。それを考えると、やはり、お前。。。 が優勝していた可能性が高い。
などなど。 色々楽しませていただきました。
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