起業教育、について考える
今日本は、国を上げて起業教育に邁進している感があります。イノベーション論、アントレプレナーシップ論、そしてスタートアップ、どの大学もファンドを持っている/持とうとしている。東大ではipcが最初に出来た投資事業会社ですが(その前にも、東大総研みたいなTLOもありましたが)、そのページを見ていると、企業はお金だ(ファイナンス戦略)、という論調です。
実際の学生たちはどうなのでしょうか。最近いくつかの大学の学生と話をする機会がありました。その感想を交えて今日は起業教育について考えます。
本屋でアントレプレナーシップやスタートアップに関する本を見ていると、2つに大別されることが分かります。1つはお金をどのように集めてくるか、もう1つはビジネスのアイディアをどのように出すのか(=事業計画をどのように書くのか)。本気で何がしたいの、それを論じているテキストは発見できませんでした。
つまり、起業して何をしたいのか、について本気で考えようとしている場/教材/著書はないような気がします。世の中のために立ちたい、そのために何をすれば良いか。仮にここまではよしとしましょう。でも、その起業アイディアがビジネスベースに乗らなかった場合、その起業家は次の起業を始めようとします。それまでやろうとしていたことを全く忘れたかのような分野であることも珍しくありません。もしくは、単なる経験、ファーストトライにすぎない、とらえているのかもしれません。
無風凧の目から見ると、「色々なことを言ってるけれども、結局お金儲けしたいんでしょ?」と写ります。それは頭から否定するつもりはありませんが、、、皆さんがビジネスコンテストなどで滔々と述べている社会問題への取り組み、意気込みなどが絵空事のように思えてしまうようになってきます。
このように考えて無風凧は思うのです。起業教育の第一歩目には、自分の人生経験に根差した本当に解決したい課題を見つけること、そしてそれに一生かける覚悟を決めること、ではないでしょうか。道半ばで敗れた場合、アントレプレナーからフォロワーに回らなくてはならないことがあるかもしれません。その場合も、自分の本来の課題に近い仕事をする。そのような教育が本当の起業家教育なのではないかなと無風凧は考えています。
そう思うと、今の起業家教育はすべて「成金を作るための教育」のように思えてなりません。
| 固定リンク
コメント