楽譜の力(好きな音楽2023年10月)
最近、ノイズ以外は殆ど聴いていない無風凧です。耳から音楽を入れることは殆どありませんが、夜中に、時々脳内演奏会は開きます。そんな時は、楽譜があるととても嬉しくなります。
先日。久しぶりに「仏陀(貴志康一)」のスコアを読みました。二時間近くかかりましたから、随分遅い演奏ですね(笑)。
手書きも見たことがありますが、今回は勿論印刷付。日下部さん(貴志康一記念館の館長さん)の力作です。
改めて思いました。楽譜の力は偉大です。聞き落としている音、それも、楽器がかぶっているので、裏の音で目立たないけど支えている音、などに気が付かせてくれます。
聴いた時に聞こえないのなら、不要ではないのか?そう思う人も多いでしょう。でも、きっとそうじゃない。MIDI音源と違うところがそこにある。共鳴構造が違う楽器が同じ音を出すことにより、僅かに音の深みが増える。その僅かな違い。気が付いてもらえないことは百も承知。でも、作曲家のこだわりとして書かれた一音。
そして。ユニゾンを想像することはそれ以上に楽しい。言葉では説明できない。ユニゾン。同じ音を出している。でも。二人で演奏すれば、僅かなズレが生じる。勿論、意図してできるずれではない。でもこのズレは偉大です。音楽を音楽たらしめているのは、このズレなのかもしれません。ズレを何種類も想像する、、、決して現実に聴くことは無い現象。でも、頭の中でなら、幾らでも創り出すことができます。
これを創り出すのは、無風凧レベルでは楽譜が必要です。やはり、楽譜の力は偉大です。
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