大学って、何のために行くのですか?
現役の高校三年生は、そろそろ志望校を決めなきゃ、という時期でしょうか。昨今は、AO入試など入試方法も多様化したので、無風凧の頃よりは早まっているのかな、と思います。
そんな高校三年生に、今一度考えてほしい。大学は何のために行くのかな?
就職予備校というか、卒業証書が欲しい為だけ、に行くというのなから、自分の人生をもう一度考え直してみませんか?
教育基本法を持ちだすまでもなく、大学は「高度な教育と研究」です。その教育を受ける意思を持っていますか? ここでいう「高度」という言葉の意味を考えたこと、ありますか?
急にこんなことを書いているのは、本棚の片隅に「代数系の基礎(サイエンス社、寺田文行)」に見つけたので。この本は、前書きに「高校数学との接続を意識して」「数学を専門としない、工学系・情報系の人を対象」と書かれているモノ。無風凧が物性シミュレータを作成していたころに、仲間同士の勉強会用に使用したものです。
購入当時は、時間も欠けられないことやメンバーの実力を考えて比較的易しめ、として購入しました。つまり「高度な教科書ではない」と思っていた。しかし、昨今、本屋で並んでいるものをみると、昔からの定番ものを除くと随分レベルが下がっている。大学生向け、ということになっているけど、高校生むけではないか、と思うものも多い。これでは、「高度な教育って何?」と無風凧が考えたくなるのも、皆さんには理解していただけるでしょう。
大学進学率が上がるということは、平均としてのレベルが下がることは、数学的には真実。これを止めることはできません。だから、みなさんが「高度な教育」を受けることをめざしているのであれば、当然の帰結として無風凧は受け入れることができます。皆さんが大学教育をうけることで全体のレベルが上がる。
でも。分数の足し算ができないレベルの学生が、本当に「高度な教育」を受ける意思があるのか、、、大学は高校の復習をするところではないし、まして、就職用の訓練をするところでもないのだから、、、
加えて言うと、大学のアドミッションポリシーと入学基準も、一度見直すべき時期に来ていることは間違いない。
そんなことを思いながら、寺田先生の本を通読しました。
#追伸: 寺田先生の本は、初学者の学習(独習)には向いていません。一度学修した人が内容を復習する、もしくはゼミで説明してくれる人がいることがおススメです。
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