国際卓越研究大学について考える(大学は変わらなくてはならない)
国際卓越研究 大学。その詳細は 文部科学省のホームページに譲るとして。無風凧はこの制度に「企業の香り」を感じて仕方ありません。
企業と学校の違い。もしくは、営利活動と教育活動の違い。
営業営利活動は、利益を上げることが求められます。だから選択と集中が重要で、不採算事業はカットされる。教育活動は、上を伸ばすだけではない。底辺の底上げも必要になってきます。いわゆる「義務教育で日本の国力を上げた」というのは、底辺底上げの効果が大きい。その意味で、企業と学校は異なります。
さて国際卓越研究大学。
これは、大学の選択と集中、意外の何物でもありません。態よく言えば「原資の有効活用」ですが、うがった目で言わせてもらえば「不採算大学の排除」ということになります。2023年度は約50%の私立大学で入学定員に達していませんが、そのような大学に研究費を回すよりも、東大や京大に回した方が研究成果が出る、という判断なわけです。
この選択と集中は、繰り返しになりますが「企業経営」の基本とおなじこと。文部科学省がどのような説明をしようと、企業経営と同じです。
さてここからが無風凧の持論。
1)大学教育は、選択と集中を進めるべきです。その意味では、国際卓越研究大学にならない大学はいずれなくなる方向、でも良いのではないでしょうか?
2)その上で。決め方が問題です。学術会議をはじめとして、「国際卓越研究大学を選定する」メンバーは、「国際卓越研究大学を卒業したであろう方々」が大半です。つまり、東大・京大、阪大、名大、東北大、、、だとすれば、お手盛りなってしまう可能性が高い。特に、萌芽研究に関しては、国際卓越大学以外の採択がなくなる → 多様性がなくなる → 衰退する という結果が見えています。選定方法に工夫が必要です。
こうなると。学校教育法でいう「教育」の目的・定義からアップデートが必要になってきます。それはまた明日。
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