ランキングからの解脱
米医学部ランキングに「ノー」、名門校が続々データ提供停止(コチラ 参照)
という、刺激的なタイトルの記事がアップされています。
タイトル通りで、米国の有名大学医学部が、大学ランキングに使われるデータの提供を止めた、という内容の記事です。
まず、ランキングに乗ることからの脱出を、無風凧は「ランキングからの解脱」と呼んでいます。この解脱は、仏教でいう「六道輪廻からの解脱」と同じ意味で使っています。
「ランキング」、THEやQSが行っている大学ランキングは、基本的に合成ランキングです。幾つかの指標に従って定量化し、それを足し合わせる。だから、指標にあるものの数量を上げ、無い指標は手を抜いても良い。
極端な例ですが。「外国人留学生受け入れ数」がランキングの指標に入っている場合、「外国人枠」を作ることにより、ランキングを上げることができます。ここで、外国人枠の応募する学生が優秀か否かは関係なく、「ランキングが上がる」。論文数を評価するランキングなら、質より量で論文を書くことになるから、「長期的な視点での基礎的な研究」より「すぐに論文かできるケース中心の研究」が増えることになるでしょう。こうなると、研究の質が下がっているにも関わらず、大学のランキングは上がっていきます。
このように。「ランキングの向上を目指す」ことは、その呪縛から逃れることができません。上がれば下がるのは世の常。あたかも六道輪廻のようなものです。ここにいる間は「涅槃」に行くことはできません。もうお分かりかと思いますが、ここでいう涅槃とは、「本当の意味での研究の質を上げる」。
という意味で、ランキングからの解脱は、新の実力を目指すための第一歩、なのです。
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