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2023年はInvention元年(バッハは偉大だな)

正月。ふとしたことで、J.S.Bachのインベンションを聴きました。ピアノを習った方には、必ず「いじめられた記憶」がある曲です。なので、Etudeとしてとらえている方が多いのではないでしょうか?

今でこそEtudeのように使われるこの曲ですが、当時は「Invention=発明」だったわけです。通奏低音として扱われた居た鍵盤楽器を、両手つかって二声以上扱えるようにする先鞭をつけたのは、間違いなくBachの功績と言ってよいでしょう。その意味では、BachのInventionが無ければ、Beethovenのピアノソナタも生まれなかったわけです

さて、ここからが今日の本題。

BWV772から始まるInventionは、「インベンション=発明」と名付けられています。新しい試みを実現化することは、invention。最近、経済界で求められている Innovationとは、違う言葉です。新しい事業をおこせ、起業しろ、そのためにはイノベーションが必要だ、、、、というそのInnovationは、シュンペーターが本来は「New Conbination=新しい結合」と呼んでいたもの。ある時期から、シュンペーターがInnovationというようになり、今では世界の共通語のようになっています。でも、「新しい結合」です。右のものと左のものを「つなげること」がInnovation。

つまり。シュンペーターの定義した5つのイノベーションは、どれも「発明」は入っていません。想像や空想に相当する意味もない。新しい価値を生み出すのではなく、これまでの価値をどのように最大化するか、を論じているに過ぎない。

この視点で見ると、ビジネスモデルなんて言うものは、ほとんど「New Conbination」にすぎず、これまでの価値の再分配するのがせいぜいです。まあ、思いついた人の「経済的な利益」にはつながるでしょうけど、それ以上のものではない。大学における経営学もイノヴェーションに関しては滔々と語りますが、Inventionについては、ほとんど手つかず(経営系の教科書を見て下さい。本来の意味でのインベンションについての記述は、ほとんどありません。MOT系の教科書には、技術革新とか”InnovationのDiLenma”などという言葉は出てきますが、ごく一部で、インベンションの重要性を説いたものではありません)

このように考えると、いま、求められているものは、InnovationではなくInventionであることに気が付きます。InventionとInnovation。似て非なる言葉です。でも、言葉が変わると、意識が変わります。意識が変わると行動が変ります。

皆さん、2023年を「Invention元年」にしようではありませんか。

 

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