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ラーメンの価格は幾らが適正か?①

サッカーの本田選手や、イエール大学の成田准教授が口火を切った「ラーメン2000円論争(コチラ など参照)」。

ホリエモンの1万円発言もあったりして、エンタテインメントとして楽しく見ていますが。。。成田さんではないですが「適正価格はいくら?」となると、経済の初級問題として面白いものになります。

まず。「ラーメンの適正価格は何を基準に作成するのか」という問題。

それから、成田さんがいう「消費者物価はどの程度の上昇率が適正か」という問題。

ともに、大学1年生でも答えられるはずですが、経済学者が本気で考えてもすぐには答えが出てこない難問でもあります。今日は後者を考えてみましょう。

「消費者物価指数の上昇率は、2%が目標」と黒田さんが言ったのはもう10年近く前です。世界経済の安定のため、消費者物価指数は2%上昇が適正という「世界のコンセンサス」が採れています。(本当に2%が最適であるか、については論争があります)。では、ラーメンが2013年に700円だったとして。10年後に幾らであるか。 700× 1.02^10 =700 *1.22= 850円。成田さんのいうような2000円、という数字は出てきません。 

バブル前の1982年ころ、無風凧の記憶ではラーメン一杯350円~500円程度。それから40年、価格は1.02^40=2.2倍程度になります。これでも700~1100円。というか、、、今の実売価格、意外と2%の伸びをしてきたのではないのかな、と思ってしまいます。このように考えると、成田さんのいう価格は「いつの価格を基準に考えるのか?」が大切なことになります。

成田さん、2000円はどこから出してきた数字ですか?

ということで、「消費者物価指数向上の観点では、2000円が適正は根拠が薄い」と結論できそうです。

補足: 成田さんが「物価が上がっていく必要がある」という意味で2000円と発言していることは理解しています。だから、否定はしません。ただ、例としてラーメン2000円、はちょっと適切ではなかったような気がします。

蛇足: 缶ジュース。一本100円の時代が長かった。そして、今でも120~130円。 これは明らかに「もっと高くなっていても良い」例でしょう。ドトールのコーヒー。1985年ころは150円。今230円。1.7倍。 物価指数的にはもう少し上がっていても良いかもしれませんが、企業規模が大きくなっているので、企業努力の範囲と言えそうです。

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