学問には型がある
冬休み、たまにはお気楽な読書、をしています、、、と言っても、職業病でしょうか。気休めで読んだのが「論文の書き方(小熊英二著、講談社現代新書,、Amazonはコチラ)」。
この本には「学問には型がある」という副題がついていて、無風凧はそちらに惹かれて読む気になった、という感じです。そして、ここ数年で読んだこの手の How To ものの中では傑出している、と断言できます。
これまでは「現代文の書き方(扇谷正造)」を進めることが多かった。これは、判り易い文章を書くためのHowToもの。ビジネス文章がメインターゲットではありますが、遍く文章に通底する書き方のバイブルだと思っています。
今回の小熊さんの本は、「書く前」の準備の仕方に、扇谷さんとは違う構造があります。「学問には」と断っていますが、事業企画書を作成する場合でも全く同じ「構造」です。文章の構造ではなく「スタイル」「行動様式」「対策方法」という意味での構造です。
加えると、論文の「種類」というか「研究対象」による書き方の違いも方向性を示している。思想・哲学的な主張を行う場合と、数学の証明ではおのずと差異が大きい。その「差異がある」ことを明示してくれるだけでも、初学者にとっては大きな知識になります。
大学教員の端くれとして、無風凧もこのような教科書を書いてみたいな、と思いました。
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