過疎とPDCA。
こんな記事を見つけました(コチラ参照)。
記事によると、少子化のために、10年間で小中学校の児童生徒が100万人減っている。その上、地域の小中生が30%以上減った自治体が346(日本の全自治体数は1892だから、18%です)。これらの自治体は当然のように過疎化が問題になっているとのことです。
根本的な問題として。
民主主義(ここでは、その定義を厳密に言うわけではないですが、自由主義、競争社会、多数決原理と言い換えても良い)の下で、過疎化は止めることができません。現象としては、技術進歩による工業社会と、それが作り出した規模の経済が大きな比率を占めています。
その前提で論を進めて。20世紀後半の「マネジメント」志向が過疎を生み出したと言ってよい。テイラー、デミング、コトラー、、、A級戦犯でしょうか。
たとえば、今の経営層の99%以上の人はPDCAサイクルと言って否定する人はいないでしょう。最近、その進化版としてOODAやSTPDなど色々なループやサイクルが提唱されていますが、「経営目標=金儲け」をする場合に、そして「目標値を実現する」世界においては、最終的にPDCAに落ち着いています。
一例として、あるプロダクトを売ることを考えます。売り上げ目標と利益目標があります。それを実現するために、プランを作り実行します。目標に届かない場合、修正プランをつくることになります。経営指標として、利益率を考えた場合、市場規模(顧客の数)が一定数いなくては投資できません。遠いとそれだけ運送コストがかかる。結果として、目標達成機できないという理由で、地方は切り捨てられていきます、、、過疎です。
上記は、私企業の例ですが、2000年以降、行政組織も同様のマネジメント手法が用いられるようになりました。無い袖は振れない、という言い方もできるかもしれませんが、行政もコストカットが求められます。結果として、目標設定をして、その効率を上げるためにPDCAを回し、過疎が進んでいきます。
20世紀型のMBAからは脱却してほしいと思っていますが、PDCAは20世紀型MBAの負の遺産です。
追記: チェックの際もしくは新プランをつくる際に、Product Portforio Managementを用いている場合が多いでしょうから、PPMも諸悪の根源ということができるかもしれません。でも、PPMを意識せずに、目標達成のために切り捨てられていくという、一段階メタな立場でPDCAを取り上げています。
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