数学は暗記科目か?
東洋経済で、数学教育についての記事が連発されています(コチラ など参照)。
その中で、「数学は暗記科目か?」という内容について、無風凧の私論を展開します。
まず。
みなさん、1+1の答えは何ですか?という問いに、どのように答えますか?一応十進数を前提とすると、この簡単な計算は 2という答えを出せます。
では。1 が 何を意味しているか、考えましたか? + という記号の意味は? このように考えると、定義に相当するところは、記憶しなくてはなりません。この意味で、「数学にも記憶が必要」ということはまず記憶においてください。
続いて、答えの2。みなさんは瞬間に計算しましたか? それとも、記憶していましたか? おそらく、もう区別できないでしょう。少し難しくして、1から10までの自然数をたしたらいくつになりますか? 55と即答する人は、記憶していたに違いありません。そして、そのように記憶している人は、「算数(数学)が得意な人」と目されている人だと思います。
先日。経済系の大学生に、x^2 -4x +3= 0 の答えを出してもらおうとしました。学生いわく、「これは高校数1の範囲ですか?覚えていません」。正確には中学の時だと思うのですが、この学生は「数学は暗記科目」と思っているタイプだったんでしょう。
解の公式を覚えて無くても、 (x-2)^2 = 1 として、x-2=±1 とおいて解けるという人。この解法を「記憶」しているのではないですか? 少なくとも、無風凧は記憶しています。
例えば、少し進んで、極限の証明法としてのεーδ法。これも、「記憶」ですよね?
このように考えていくと、、、数学が得意になるということの一部は、「暗記」が必要ということになります。
試験のように「制限時間内に答える」ための暗記ではなく、数学を理解するために必要な暗記があるということです。 数学は暗記科目ではない、という方々は、暗記を沢山しているという矛盾にぶち当たります。
無風凧は、経済数学はあまり得意ではありません。特に、初学者用の計算問題の場合、EとかIとか、経済学で用いる述語を用いて暗黙で使います。この「意味の変換」に時間がかかる。記憶があやふや、という感じで確認をします。この意味からも「数学には暗記も必要」と断言できます。
更には。未解決問題を解くためには、既存の手法を組み合わせ、仮説を立てて証明していくことになります。既存の手法を沢山暗記していれば簡単に解けるでしょうし、暗記していなければ引用することになりますが、これも、「外部メモリーに保存している」という意味で暗記の一形態だということもできるでしょう。
数学が得意になる。そのためには「暗記が必要」ということはできそうです。
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