ムサシノ学生服事件
都立高校の制服が、入学式に間に合わなかったムサシノ学生服事件(コチラ など参照)。約30000着の受注で、100着(0.3%)ほどの学生服が納期に間に合わなかったというもの。
納期に間に合わない、ということは企業として、あってはならないこと、ではあります。だから、ムサシノでも間に合わせるための最大限の努力をしたようです。上記記事中にも「1週間くらい寝ていないし、仮眠もしてないし、食べてないし、座っていない。」という記述があります。
ここで、ちょっと待ったあ~、です(この言葉は古いですね)。
従業員も含めて一週間も寝てない、という職場を想定してみてください。相当なブラック企業です! もちろん、従業員の方々も義務感にかられて自発的な行為だと思っていますが、しかしそれでも過労死ラインを簡単に超えるような労働環境は問題です。
ムサシノ事件は、このような側面を持っています。
更に。再発防止策を考えた場合、三方一両得な解はとても難しい。
想定を超える数の受注に対して、納期を守るようにするのは、余剰人員を確保しておくことが考えられます。こうすると、余剰人員分のコストが発生します。企業が全部かぶるとしたら、利益が減ります。利益が減らないようにするには価格を上げることですが、そうすると新入生の親御さんの支出が大きく成ります。
間に合わなかった場合に備えて「レンタル用の制服を用意しておく」というのも考え付きます。閑散期に作っておくことができます。でも、これを作るのは「余剰をつくる」ことと同じ。そのコストはどこが持つのでしょうか? また、レンタル用として制作するとしたら、保管しておく必要がありますが、その保管も費用が掛かります。それを行政や学校が費用をもつ、、、というのもあまりフェアではないように思います。
この事件。意外と根が深い問題なのです。
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