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教師は不足、ポスドクは人余り

1月末の時点での話ですが、新年度の公立学校の教員は2558人とのことです(コチラ参照)。必要教員数全体にとっては0.31%と言えば、小さいようにも思いますが、、、平均で30人の生徒・児童が相手になるすると8000人もの生徒・児童が放っておかれることになる、、、由々しき問題です。

高校以下の教員は不足していますが、逆に大学教員の方は職場が足りない。いや、正確に言うと、ポスドクという形のモラトリアムが15000人ほどいる(コチラ を参照)。

色々な人が主張していますが、ポスドクを高校以下の教員と雇用すればよい、と考えるわけですが、、、世の中、そう簡単ではありません。うまくいっているようなら、こんな問題は起きていません。

そもそも論ではあるのですが、ポスドク問題の根底には、「自分の専門性を生かす研究がない」というのが建前です。これは、大学を「研究機関」としてその研究に従事することを希望しているのですが、その研究職がない、ということです。これは、その専門領域の「需要等供給の関係」の中で、人余り状態になっている、ということです。見方によっては、ポスドクの作りすぎ、という課題です。ここでもう一つ、着目している課題があります。それは、学生の質が変わりつつあるということです。学生が生徒化している、ということでわかってもらえるでしょうか。その結果、大学は研究機関から教育機関になりつつあります。

その証左としてFラン大学ならずも、校務と称する作業が昔に比べて飛躍的に増えている。一流大学ならいざ知らず一般大学だと、一般的な大学の場合、終日Officeタイムの半分以上は公務。また、週に4科目持ってみてください。その準備と成績確認、レポートチェックなどで一週間は過ぎてしまいます。自分の研究は、、、After5ということで、結局大学教員もブラック化しているという話も聞きます。また、無風凧の知っている研究教員の方は、今の大学に移って、研究テーマを変えざるを得ない、と言っていました。つまり、元々の専門領域ではない「研究テーマ」を持つということです。この場合、、、専門性が随分下がっていることは否めません。つまり、研究教員としての資格が下がっている。

以前、無風凧は大学の「教育教員」制度の提案をしました(コチラ 参照)。研究教員、実務家教員を統廃合して「教育教員」というカテゴリを作る。そして、教育教員は、資格制度とする、とすれば、ポスドクから高校教員に流れていく人が出てくるのではないでしょうか?

今日はここまで。

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