COVID-19: 「科学的正しさ」と「現実」のギャップ
「寒い冬に、一晩中門番していたら風邪を引く。」、、、(1)
皆さんは、上記の文章を読んでどう思いますか? 当たり前だろう! という方が半分位でしょうか?
だから、門番をする人は風邪を引かないようにコートを着るわけです。コートを着て門番をしたら、風邪をひかないでしょう。だからと言って、(1)の文章を「嘘だ」という人はいない。
「このままの状態でワクチンパスポートで緩和政策をしたら150万人の感染になる(コチラ 参照)。」、、、(2)
これはどうでしょうか? ワクチンパスポートをだして緩和制作しても、皆さんの行動様式が変わっている。だから、150万人が感染という大惨事は避けることができる。でも結果として、(2)は「嘘だ」という方がいる。
(1)と(2)は、構造は同じです。でも、皆さんの受け取り方は異なってしまいます。不思議ですね。
もともと。
科学的な予測 は、限定された条件下での可能性を示しているものです。その条件が厳密に実現されれば、ある確率で予測された結果が出てくる。これが科学的な正しさ。実際の社会において、厳密に同一の条件を実現することはできませんから、結果が異なるのは当たり前。
その上で。
災害予測の場合(感染予測を含む)は、「ワーストケース」を想定します。フェイルセーフ、の考え方で「最悪ここまで悪化する可能性がある」というものです。だから、科学者も「こうはなってほしくない」という数字を出します。これが実現されることはない、のは当たり前。とはいえ、「想定以上」の場合にはワーストケース以上に悪くなることもあるのですけどね。
科学は万能ではありません。でも、少なくとも「科学者」であるなら、用いた仮定とモデルの中では、正しいことを述べています。それが現実化しないことも含めて、「正しいこと」を述べている。これが、科学的正しさと現実のギャップです。
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