COVID-19: 変異株考
日本における感染拡大が止まりません。東京都などでは、自宅療養中の死亡、という痛ましいニュースが流れています。ワクチン接種者も増えているなかで、この感染爆発。これは事実として受け止めなければなりません。今日は、俯瞰的にこの感染拡大を、「変異株」をキーワードに考察してみます。
まず。
ブレークスルー感染が報告されています。二度目、三度目という感染があります。これは、「完治していなかった」ことによる再発も含まれるでしょう。時間がたったことにより免疫効果が薄れ、二度目の感染に至った場合もあるでしょう。しかし、ウイルスの変異により、免疫が効果を発揮できなかった、という場合が考えられます。このように考えると、変異株 というよりは、「別ウイルス」として扱った方が、感染拡大を防ぐことができるのではないか、と提言します。
つぎに。
インドでは、デルタ株感染爆発のピークを越えた、言い換えれば、集団免疫ができた、という報道がなされています。インドでは70%が抗体を持っているとの報告です。これは、事実でしょう(コチラ 参照)。翻って今の日本はどうでしょうか?現在、約40%の国民が二度目のワクチン接種終了しています。また、国民の1%を超える130万人がすでに回復しています。保健所が把握していない範囲で自然治癒もあるでしょう。これらを考えれば、ある程度集団免疫効果が見え始めて良いころです(SEIRに基づく)。しかし見えていない。
インドの感染者数の推移を見てみましょう(コチラ 参照)。当初インド株、と呼ばれていた「デルタ株」が大半をしめていることが分かります。つまり、「同じ株による自然ウイルスからの獲得免疫」であれば、集団免疫につながりやすい。変異が起きたばあいや、ワクチンによる不活性化では、集団免疫を獲得しにくいのではないか、と結論できます。ここからの提言は、集団免疫は獲得できないと考えた方がよい、です。
さらに。
一般的なウイルスの性質として、弱毒化 があります。ウイルスは、菌とは違い、独立して存在することができません。宿主(感染者)が居なくては、存在できないわけです。 だから、宿主が死ぬような変異は主流になりえない、というのがこれまでの常識的な考え方です。しかし、今回のCOVID-19に関して言えば、アルファ株、デルタ株と、強毒化しているようにも見えます。致死率こそ下がっていますが、感染力が強化されていることにより感染者が増え、結果として日本での「死者数」は増加傾向です。この死者数は、医療崩壊を含んでいます。つまり、死者数の増加は、感染力の増加のみならず、医療崩壊がおきていることを意味しているわけです。
この傾向を外挿すると。いささか説明不足はありますが、次のような時代が想定されます。
感染力は、これからも強くなっていくでしょう。よってCOVID-19の変異株に、世界中の人が感染します。しかし、変異株本来の致死率はどんどん下がっていく。加えて、医療崩壊との閾値を下回れば、致死率は飛躍的に下がる。本当の意味でのWith Corona でしょうね。このWith Corona 時代までには、治療薬が開発されることを祈っています。しかし、治療薬が開発されなくても、ウイルスの方向として、こうなるでしょうね。
今、我々がしなくてはならないことは、この考察からは変わりません。 感染拡大を防ぐこと、医療崩壊を防ぐこと。感染拡大がを防ぐためには、、、もう皆さんお分かりですね。 公共交通機関をストップすること、そしてマスク+2mです。
| 固定リンク
コメント