昨日。
TVで、河野大臣がこういう内容のことを言ってました。子供からの「マスクを外せるようになるのは?」という問いに、
「ワクチンを打ったからと言って、すぐにマスクなしにはできない。集団免疫というものがあって、専門家で話をしてもらっている」
今日は、これをネタに少し深堀してみましょう。
Aストーリー:
「ワクチンを打つ」
→「抗体ができる」
→「マスクを外せる」
Bストーリー:
「ワクチンを打つ」
→「抗体ができる」
→「集団免疫ができる」
→「マスクを外せる」
さて。
抗体ができたとしても、A案の「抗体ができてマスクを外せる」は、個人レベルでの感染確率です。それに対して、B案は、「感染者と濃厚接触した人が抗体をもっている確率」に依存するものです。つまり、全く違う原因です。まず、これを理解してください。
集団免疫は、ワクチンで抗体ができることが大前提です。抗体ができて、なぜその人はマスクを外すことができないのでしょう?(クイズ番組なら、ここで考えるところです)。ヒントは、季節性インフルエンザの予防接種です。これも、抗体を作るという意味では同じですから。
答えは。
「ワクチンが100%の効果を示すわけではないから」
季節性インフルエンザのワクチンは実は50%程度だといわれることもあります。これは、流行したインフルエンザの種類によって、効く場合と効かない場合がある、という意味を含みます。同様の理由で、COVID-19のワクチンも100ではありません。
ここで気が付いてほしいのは。「変異ウイルスには効果が薄くなる」ということ。つまり、当初存在していなかったイギリス型やインド型、そして今後発生するであろう変異ウイルスがあるかぎり、ワクチンの効果だけでは100%の感染防止策にはなりません。
次いで。Bを考えてみましょう。
集団免疫が形成される、というのは、「抗体を持っていない人の割合が減るから感染しなくなる」というものです。しかし。上述のように、変異ウイルスが流行することは「抗体を持っていない人の割合が増える=集団免疫が形成されない」です。つまり、変異ウイルスが出てくると、集団免疫が形成されないことになり、マスクは外せません。
今回のCOVID-19は、変異が異様に早い、という印象があります。これは、感染速度が速く、感染者数が多いということもその一因です。RNAのコピーミスによって起きる変異は、感染者がおおくなるほど起きやすくなりますからね。
そして。変異の方向によっては、今のワクチンは全く効かない変異ウイルスが発生する可能性があります。その意味においても、全集中で拡大防止をすることが肝要です。今日の一針明日の十針です。
結論として。
私たちができることは、「接触機会を減らすことによる感染拡大防止を鎮静化まで続ける」に尽きます。
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