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人類は進化を止めたかもしれない。

全ての動物は、進化、します。そして、進化のしすぎで絶滅します。サーベルタイガーが一番わかりやすい例でしょうか。

人類は、知識が増える、ことが進化の方向でしょう。その人類の進化、もしかしたら進化が止まったかもしれません。

知識の量が増える、というのは、、、つまり、「分かる」ことが増えることです。これまでの知識はより詳細に分解することがで「解る」ことが増えきました。これも例をあげると、物は分子からできて居て、分子は原子に、原子は電子陽子に、、、とどんどん分ける事により、解ることが増えてきました。

ある時期から、、、分けたものを繋ぎ合わせて判じることが増えてきましたね。カオス、ネットワーク理論、俯瞰工学という考え方です。それらも、細かく解ったものをいかに、判じるか、ということで、知識が増えてきたのですが。

ここ数年、人類は「分ける」ことを「止めて」しまったように感じます。「分かる」ことを拒絶すらする場面があります。その是非は色々論じなくてはならないですが、いくつかの事例があります。

昨日のYahoo Newsで、東京ディズニーランドが、Ladies and Gentlemen を止めて、Everyoneにするとのこと(コチラ 参照)。LGBTをはじめ、さまざまな方が楽しくすごせるように、との配慮ですが、区別したうえで分け隔てなく楽しんでもらうことと、区別せずに同じように挨拶することは、根本が異なります。つまり、「分ける」作業がなくなっている、ということです。(繰り返しますが、このブログで扱いたいのは、「分ける作業がなくなっている」という事例です。)

ユニバーサルデザインも「できるだけ多くの人に使ってもらえるデザイン」という狙いではありますが、見方を変えると「使い勝手は、社会的弱者の視点が健常者のそれを包含してる」と考えることもできます。ここでも、「分ける」作業がなくなっています。

最近流行の機械学習。教師無しモデルは、簡単に言えば「評価すること自体諦めて、総体として良好な結果をもとめて」いるものです。例えば、将棋の場合、昔は経世判断として「もちごま、手番、玉の硬さ」で評価していて、段々それを分化して評価軸をより複雑に精緻化していきましたが、最近はそれぞれの要素などはブラックボックスと化して、総体としてのスコアだけが表示されるようになってきた。ここで重要なことは、分析途中の各々のパラメタの意味は、必ずしも人間に理解できていない。

そのように考えると、人類は分けることをやめた、、、つまり、進化することを止めたのではないか、と思えるのです。

でも。

これは悪いことばかりではありません。サーベルタイガーは進化の果てに絶滅しましたが、人類は、進化をとめたので、知識がふえることにより絶滅するという愚を犯さずに済みそう、ということです。ちょっと皮肉すぎましたか? きょうはこの辺で。

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