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COVID-19: GOTOとTVA

世界史の授業で、必ず習うTVA。何の略かは知らなくても、世界恐慌後のニューディール政策の一つとして、打ち立てられてものであることはご存知の方が多いのでは無いでしょうか?

TVAは、テネシー川の総合開発会社の名前で、今もアメリカの国営企業です。世界恐慌後のアメリカで雇用を生み出し、限定的であったという分析もありますがアメリカ経済の立て直しに寄与、そして何よりも人命を救いました。

GOTOキャンペーンも、政府の主張によれば、経済を立て直し、特に困窮して居る旅行関係業界へのテコ入れ、という意味ではTVAと同じような政策を目指して居ると言えます、、、菅さんも二階さんも西村さんもそのつもりでしょう。しかし、GOTOは、TVAの足元にも及びません。

一番の要諦は、失業者対策になって居ない、ということです。業界を限って居ますから、その業界の「失業者」を減らす効果はあります。しかし、限定的です。旅行関係・飲食関係以外の業界には全く効果がない。加えると、その飲食業界にすら「自粛要請」を並行させることで、真綿で首を絞めるような「要請」を並行しています。

この失業者対策、の意味は、もう少し重要です。地方で食い詰めても、テネシー川に行けば何とかなるだろう、という「生きる希望」を与えることができます。しかし、GOTOは、、、、「GOTO利用者」の浮かれた気分を増長させる効果の方が大きく、地方の観光地などはいまでも苦境に立たされています。

この一点だけでも、GOTOはTVAに比べて堕策と断言できます。更に。

産業構造の革新を担って居ない、という意味で、麻薬的な効果しか期待できない、という施策です。TVAは、都市開発を含んでいて、「サステナブル」な産業&都市を生み出すことができました。今のGOTOは、どうでしょうか?補助金補助金と配っていますが、それは、「一時しのぎ」にすぎません。台風禍のように(あまりよい例ではないかもしれません)、地域が限定される場合は、災害の後、復旧&復興を目指すための一時しのぎの補助金は効果があります。しかし、今回のCOVID-19は、世界恐慌であり、地域限定ではありません。「アフターコロナ」という言葉が人口を膾炙していますがしていますが、産業構造が変わります。旅行業界に旧来の需要があるとは限りません。家食が増える未来には、外食産業は需要がへります。そのような産業構造の変化に対して、GOTOは「麻薬である」「逆効果である」とさえ言えます。

では、現在の日本にTVAに匹敵するような経済政策があるのか。しかもCOVID-19感染拡大防止を考えて上で。これについては、もう少しお待ちください。

 

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