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価値は物品の貨幣価値だけではない。

またまた、、、起きちゃいましたね、法人の「無責任な責任の取り方」(コチラ 参照)。

この事件、事の発端は、ふるさと納税と返礼品の問題。ふるさと納税の返礼として「おせち料理」を届ける予定だった筑西市ですが、予定数を超えたために350個以上、おせち料理を発送できなかった、という事件です。ただ「送れなかった」だけではなく、「送ることができない」ことを連絡したのが元日の朝だった(Too Late)、というのも事件だと思いますし、筑西市の発表した「寄付金を返還するか代わりの返礼品を贈るなど」の対応も、無風凧には「事件」だと思います。

まず、ここで大切なことは「おせち料理」と銘打っていることです。おせち料理は、お正月に食べるもの。当然ではありますが、「伝統・文化」の結晶でもあります。神社に奉納する榊が特別なものであるように、卒業証書が単なる紙とは異なるように、受け取る方にしてみれば、ただの「料理(食料)」ではありません。おせち料理の謂れ、を孫に説明するつもりだった田舎の老夫婦の「楽しみ」まで奪ったのかもしれません。そのような「価値」はどのように責任を取るのでしょうね?

そもそも。おせち料理は、正月三が日に火を使わなくて良いようにするために、重詰めにしているもの。一説には、女性の家事負担からの解放の意味もあると言われています。加えて、おせち料理が届くことがわかっていたら、「おせち料理分の食料は用意していない」のが一般家庭だと思います。それが、、、元旦に「おせち料理が届きません」という連絡があったとしたら、、、買い物に行こうにもスーパーは休み。正月から火を使って調理して、、、となると、日本の正月の風景ではなくなります。このような「価値」に対してはどのように責任を取るのでしょうね?

物品価値だけではなく、伝統的な価値、期間的な価値、コミュニケーションの価値、、、、いろいろな価値が複合していることに気がつくことでしょう。損失は、「物品価値の貨幣価値」だけではい、ことが理解できると思います。

ここまで考えたうえで、筑西市の謝罪会見は、、、

「寄付金を返還するか代わりの返礼品を贈るなど」

どのような返礼品を贈るのでしょうか?何の「代わり」を贈るのでしょうか?すでに失った時間価値は「代わり」が効かないものだと思うのですけど。

さらに加えて。損失を与えた人に対するペナルティーはどのように扱われるのでしょうか?「想定以上の申し込みだった」、ということは、想定があったわけです。その時点で「打ち切る」という選択もあったわけで、それを行わなかった人は「以後気をつけます」だけで、責任を果たしたことになるのでしょうか?

この「おせち料理事件」は、無風凧の唱える「ナチュラルリスク(確率的に避けられないリスク)」ではありません。完全に人為的なもの。人為的なものであれば、行為者がいる。その行為者の行う「補償」「責任」をつまびらかにして欲しい。それがなされないままで「なあなあ」で、日が経つと忘れてしまう、、、ことが、結果として「日本をダメにしていく」ことに早く気がついて欲しいですね。

 

 

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