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d3913 正しいと思っていることが不正な例

無風凧は、演奏会によく行きます。その意味では、、、この記事は「明日は関係者になるかも?」と思える記事なので、今日のブログで扱います。

まずは、記事「全盲の女性、音楽祭の席「無理やり」最後列案内」をご覧ください(コチラ 参照)。記事がExpireされた時の為に、概要を書くと。

1. 全盲のAさんが、コンサートの指定席を買った。

2. Aさんは、腕を課してもらえれば歩いて席まで行けるとその場で主張。

3. しかし、主催側は「車いすに乗せたうえで」「購入したのとは違う末席に」案内した。

4. Aさんは、自席を希望したが、受け入れられずに末席に移動した。

5. その上で、後刻謝罪の席で、主催側は「Aさんが納得したうえで末席に移動した」と発言。

さて。読者の皆様は、如何思いますか?

この手の問題。お互いに「正しい」と思う根拠が幾つもあり、双方ともに「正しい」と思うのでしょう。Aさんは、自分の買った席に座ることが正しいし、主催側は「けがをさせない」「他のお客様に迷惑をかけない」ことが正義。その意味では、両方ともに正しい、と言えるかもしれません。

でも。

すこし俯瞰して、「双方の主張を正しくする」論理を考えてみましょう。その論理にのっとっていないことは、残念がながら「不正」です。不正には、「それ相応の代償」を支払う必要があります。

1. Aさんが購入した席に座った場合、恐らく主催者側が正しくエスコートしていれば、けがも迷惑も掛かっていないでしょう。万が一にけがをしたとしても、それは、晴眼者がけがをするのとほとんど同じ。その意味では、異なった席に移動を勧めた時点で「不正にAさんを取り扱った」ことになります。その意味では、主催者側は代償を払う必要があります。勿論ではありますが、Aさんがけがをした場合(可能性は低いですが)、それがAさんの「不正」で、その代償が自分自身が払うことになりますし、演奏会に迷惑を掛けたら、それがAさんが代償をはらうことになります。

2. また、Aさんは、「自分の席」を持っています。クラシック系の演奏会の場合、一席座る席が隣になっても、聴こえ方が異なりますので、そこから「ダウングレード」したことになります。購入時はいざしらず(その指定席を納得して購入しているわけですから)、そこから「いわれもなくダウングレード」するのは、座席の売買契約において、不正 です。その分の代償は主催者側が支払うことになります。

3. Aさんが、演奏会当日に自説を主張した場合、演奏会に遅延が起きます。これは、他のお客様に対して、不正なことになります。この責任は「Aさんと主催者双方が等分」だと考えます。その意味では、Aさんが自説を下すことによって、お客様への不正を防止したことになります。主催者側は、「お客様への不正を防止しなかった」という意味で、この時点でも不正です。

4. 上記の「移動した行為」をもって、「納得して移動した」と主催者が判断するのは、思い上がりも甚だしい。恐らくは、主催者の「上級者」の発言だと思いますが、本人が接していない人の感情を代弁するのは、その時点で不正です。もしかすると、部下からの報告書は「納得して移動していただいた」などとなっていたかもしれませんが、協議になっている時点でAさんが納得していなかったことは火を見るより明らか。この発言が出た時点で、主催は不正です。

このように考えてしまうと、、、主催者の「正しい」は理解はできますが、それを実現する方法には、不正が多かった、と言わざるを得ないと考えます。

演奏会のダウングレード、精神的苦痛、訴訟にかかる時間、、、などなど、どの程度が正しいかはわかりませんが、「チケット代の払い戻し」程度で済ますべきではない、多重の不正が存在しています。

この事例は、無風凧が演奏会を主催するときにも起きうる問題。他山の石としたいです。

 

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