小金無視
コガネムシさん:
今の日本経済って、大金で決められていくんだよねえ、、、、小金は無視、コガネムシ、って洒落を言っている場合じゃないか。
写真出典 Wikiのコガネムシより、Public Domain
ロイターが興味深い記事を公開しました(コチラ 参照)。曰く、
「日銀は15日、物価の現状判断を引き下げ、景気拡大の下での「鈍い物価上昇率」という「なぞ」の存在を正式に提起したかたちだ。」
景気が改善すれば物価は上昇する、という経済学の教えに、今の日本の状況は反しています。勿論、現実が常に正で、理論はそれを説明するためのものですから、上述の記事のように「なぞ」というわけです。
加えて。ロイターの記事の元になった日銀の発表を見てみましょう(コチラ 参照)。興味深いのは(注2)で、日銀の委員全員の合意ではない、という点。詳細な理由が書かれれているわけではありませんが、他の委員は、
消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの 改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続 け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる
のに対して、片岡委員だけは、
片岡委員は、消費者物価の前年比は、先行き、2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現 時点では低いとして反対した
その上で(注3)では、
コミットメントを強化し、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に達成 する観点から、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には、追加 緩和手段を講じることが適当であり、これを本文中に記述することが必要として反対した。
とあります。この部分が、「なぞ」を「なぞ」として浮き上がらせています。
さて。無風凧流の着眼をすれば、、、
いつも思うのですが、日銀の発表に限らず財政のための統計的な数字位は、「平均」もしくは「総量(全体)」です。この数字の扱い方が大いに問題があります。本当に給料が上がっていますか?いや、可処分所得がふえていますか?もっと言えば、「景気が上向きだということですが、増えた人は本当に多いのですか?」
例。
いま、国民が100人の国を考えます。給料は全員1万円(平均一万円)でした。この国で一人が代表になり、給料が100万円になりました。残りの99人は、9000円になりました。代表は、自分の給料が上がったので「景気が良くなった」と思っています。それに、国民是内の給料の総額が1891000円。つまり、一人当たりの給料は、18910円に8910円もアップしています。。。でも。実際に給料がアップしたのは一人だけ。この状態で、消費者物価が上がるでしょうか?答えは否、ですね。
今の日本に限らず、マクロ経済学はこの種のマジックにかかっていると考えます。つまり、小金(9000円の給料の人)は無視。100万円の人で代表される経済学、それがマクロ経済学なんだと思います(注)。
注: ちょっと極論ですね。
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