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恒久平和のために、、、無風凧版。

NHKの「100分で名著」で放映された、「カント:恒久平和のために」の録画をようやく見ました。

世界の軍事情勢。

  1. デンマークでは、2010年に廃止された徴兵制が復活、国民に有事の際のマニュアルが配られた。 
  2. お隣の韓国政府では、今でも徴兵制が残っていますし、そもそも、朝鮮戦争は「休戦」なのであって、その意味では、韓国も北朝鮮も今でも戦時中です。
  3. カタルーニャの独立運動は、第二のスペイン内戦に発展するかもしれません。
  4. 永世中立国として有名なスイスは、国民皆兵で、かつ、スイス軍の実力は折り紙付き。永世中立と平和主義とは、全く関連は有りません。
  5. 北朝鮮と米国とは緊張状態にあります。、、、などなど。

このような国際情勢に鑑みると、世界中臨戦態勢と言っても過言でありません。

平和の定義を「戦争が無い状態」とすれば、システム論的には解は2種類しかあり得ない。二国間の相互関係は

1. 完全に相互作用をなくす(総ての国が国交が無い状態にする)

2. 完全な均衡状態を保つ(総ての国が相応の武力を持ち、その力関係が均衡する)

つまり、1つは総ての国の戦力放棄であり、もう一つは、すべての国が戦力を持つ。自分が持てば相手も持つ。相手が持たないときは自分も持たない。だから、一つの国が戦力をもてば、すべての国が持たざるを得ない。

あるべき姿(つまり、1か2であること)を論じるのは簡単ですが、実現はとてつもなく難しい。既に、1を実現するのは無理でしょう。インターネットを始めとして、グローバル化(=地球全体化)の波は抑えようがありません。そして、完全な均衡状態を保つパワーバランスの実現、、、これはさらに難しいことになります。今の国際世論は、北朝鮮に核戦力放棄を元得ていますが、北朝鮮にしてみれば、「いつ自国が攻められるかわからない」状態になってしまうからです(注)。

完全な均衡状態の実現が難しい=即ち、地球上から、戦争は無くならない、と言えそうです。、、、あれ、恒久平和のために、という題目で書き始めたはずなのに、カント著「恒久平和のために」とはチガウ結論になってしまいました。

注: 無風凧は、北朝鮮も武力を持つべきだ、という主張をしているのではありません。戦争が無い状態を実現するための二国間関係の2に立脚すると、片方が持っているなら、もう片方も「均衡する」為に持つという状態にならざるを得ないという帰結を、ここでは説明しています。

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