ノーベル物理学賞とWallaceと
今年のノーベル物理学賞が、重力波の「発見」に寄与した三名の物理学者に贈られました。ワイス先生、ソーン先生、バリッシュ先生、おめでとうございます。
重力波は、アインシュタインが既に50年ほど前に存在を理論的に予測していて、「アインシュタイン最後の宿題」ともいわれていたもの。アインシュタイン先生がご存命なら、きっとアインシュタインが受賞していたのでしょうね。
今回の物理学賞、実際は、何千人もの物理学者が関わっています。計測装置の小さな改良など加えれば、「何が最後の決め手で観測できたのか?」「誰がどの程度の寄与をしたのか」は特定することはできないでしょう。その意味では、三名へのノーベル賞ではなく、関係したすべての方へのノーベル賞、だと言いたい気持ちもあるのですが、、、そう考えると、三名以外で納得のいかない研究者も沢山いらっしゃると思います。
そんなことを考えているときに、ふと思い出したのが、Alfred Wallace(アルフレッド ウオーレス)という生物学者。ダーウインよりもはやく進化論に気が付き、進化論の論文をダーウインに送ったからこそ、ダーウインの進化論が完成した、といわれている学者です。(詳しくは「ダーウインに消された男(朝日選書)」をお読みください。)科学の世界でも、こういうことは沢山あるのだと思います。
そのように考えると、誰の功績、というのを正確に見極めるのはとても難しい事です。無風凧も昔、不良解析を頼まれた際に、理論から組み立てなおしたことがありますが、その時に書いたレポートは解析を依頼した方の名前の特許になっていたりします。その方曰く「俺が不漁解析を依頼したからこのレポートが出来たんだから、成果は俺の物」。たしかにそうですね。その後、その方は成果が認められてPromoteしていきました、、、
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