雰囲気を聴かせる(好きな音楽2017年7月)
昨日行ってきた、薫公会のImpression(告知は、 コチラ 参照)。
「薫公会」は、お箏のセゴビア、とも言われた故衛藤公雄氏の流れを汲む方たちの演奏会・おさらい会でした。衛藤公雄氏の直弟子に加え、孫弟子や、男子校箏曲部の演奏もあり、バラエティに富んだ演奏会でとても楽しい演奏会でした。
そんな中、「これは!」とうならせる演奏があり。。。以下はその感想。。
終演間近の19番目、衛藤嘉有子さんの「さやかなる調べ」。衛藤嘉有子さんは、お箏教室のお師匠さんもされている方で、かなりのご高齢。衛藤公雄先生(同じ「衛藤」なので、フルネーム書いています)がまだお若いころから師事ざれていた方(「奇蹟の爪音(小学館)」による)。
そんな衛藤嘉有子さんの「さやかなる調べ」は、ほかの方とは一線を画していました。運指が難しい曲ではなく、あまり「ドラマティック」でもない曲ですが、、、一つ一つの音を大切にして、音ではなく、音のつながりである音楽を楽しみ、そして、その音楽を包みこむ「空気」を聴かせる、、、そんな演奏。最近の流行語でいえば「神ってる」。
音楽は、、、勿論、基礎として演奏のテクニック、そして解釈、経験、それらを統合した表現、が求められますが、良い演奏のためにはそれら以外ににも「何か」が必要。その「何か」は、、、何だったのでしょう?衛藤公雄先生が既に生前に伝えたモノ?それとも、衛藤嘉有子さんの曲に対する思い入れ?色々考えると、衛藤嘉有子さんの人生を総て、なのかもしれません。
昨日の衛藤嘉有子さんの演奏は、どんな高名な演奏家でも実現できないような、異次元の好演で、まさに「プロ中のプロ」の演奏だと感激しました。
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