アウフヘーベンと折衷案(豊洲か築地か)
都議選の公示を前に、「まさかこうなることは無いよねえ、、、」と書こうと思っていた矢先、小池都知事が示した東京市場の解決案が「豊洲・築地の折衷案」。両方生かすという発想は悪くないのですけど、「まさか。。。」の案であんぐりしています。以前、無風凧は、「別次元の解答(コチラ 参照)」として、「複数分割案」を示しましたが、それとは似て非なる解決案です。
東京市場の問題を、「筑地か豊洲か」という二択問題と捉えれば、「筑地ブランドも生かす」と言えば耳障りのよい小池案は、アウフヘーベン(止揚、一つ上の視点からの解決策)した、良い案のように見えますが、、、お互いの「欠点を見えにくく」したうえで「問題点の先送り」をするというのが現実ですから、結果として改悪、と捉える方が良いように思います。
今日の主張は、アウフヘーベンさせるときは、「お互いの欠点を消す」ことに評価点があるのが本来の姿である、違う評価点を作って、総合点が増えるからよいでしょ、というのは、往々にして「良くない折衷案になる」、ということ。これは今回の東京市場の問題に限らず、自分の会社の問題、組織の問題などを考える際に、是非是非肝に銘じてくださいね。
あとは、蛇足です。
今回の「筑地豊洲折衷案」は、都議会議員選挙対策であることは、明白。つまり、選挙の「票」を取りに行っているわけです。この視点で、この折衷案を採点すると、やはりあまり良い点は付けられません。
以前、「目標の作り方」という記事を書きました( コチラ 参照)。 この時にも書きましたが、「ビジョン」と「マイルストーン」は、明確に分ける必要があります。選挙公約は、ビジョンで戦うのが正しい。ところが、東京市場移転問題は「マイルストーン」の領域での戦いになっています。
世論の動きで、「マイルストーンで戦わざるを得なくなった」という背景は理解できますが、小池陣営としては「損をした」ということは否めません。
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