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音楽教育を守る会と著作権法(好きな音楽2017年5月)

今月の「好きな音楽」は、少し毛色の変わった話。それは、著作権関連の話です。

JASRACが、町の音楽教室からも「レッスンに対して著作料」を取ると発表しました。それに対して、音楽教室最大手の「ヤマハ」などが、反発して、音楽教育を守る会、を設立。レッスンに対する著作料を支払わないぞ、という活動をしています。

JASRACvs音楽教育を守る会、この二者間の議論は、相当根深いと思いますが、これはそもそも、法律の不備が起こしている論争と言うことが出来ます。つまり、二者は、法律の矛盾をお互いの立場で言い合っているだけ。

著作権法の運用として、教育は「学校教育」に限っている(いわゆる学校教育法の一条校)。それに対して、守る会側は「民間教育」という立場。実際、音楽教育は学校だけではなく、町の音楽教室でも行われている、つまり、民間教育も主軸の一つです。でもここでいう民間教育(学校法人ではない。勿論、学校教育法の各種学校でもない)は「営利目的」だから、著作権法的には「教育」ではない。ここが矛盾。法律を四角四面に解釈すればJASRACの言い分が正しいと言えますが、それは、著作権法が音楽教育の「実態」に合っていないから。実態を反映させれば、「民間教育」まで教育の中である、という立場に立つことができ、JASRACvs守る会の論争は、論争根拠を失います。

この機会に、著作権法の不備をもう一つしてきます。それは、所謂版面権の問題。

ご存知の通り、日本には「版面権」が存在しません。だから、著作権の及ばない曲、例えばベートーベンなどのクラシック音楽の楽譜は、新しく出版したとしても、「著作権法的には複製可能」ということになります。とはいえ、Carsなどの団体は、「楽譜のコピーを禁じる」活動をしています。実際、ベートーベンの曲の場合でも、新しい出版の場合に、色々な校訂が入ったりしますから、それを守る「法律」が存在していないことになります。つまり、ここにも矛盾があります。出版社側からすれば、根拠がないにも関わらず「撲滅運動」をしていることになります。

この問題の場合は、版面権を出版社の権利として認めて、初版から10年は出版社のみが複製する権利を持つ、などの法律を作れば、解消します。

音楽は、人の生活を豊かにしてくれます。その意味は、教育の根幹をなすものだと思っています。だからこそ、Fair Useになるように、実態に合った法律作りをしてほしいと思います。

# 著作権法の不備に関しては、まだまだ幾つも指摘できますが、今日はここまで。

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