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企業と個人の力関係

皆さんは、こういう事件があったこと、ご存知でしょうか。

[事件概要]
航空会社(ユナイテッド航空)が、「1.急に自社の職員を乗せることになったたために」「2.チケットを持っていた客に対して」「3.警察沙汰にしてまで下ろしてしまった」という事件がありました(コチラ 参照)。
[事件概要ここまで]

この事件は、USで起きたうえに、被害を受けた客が裁判沙汰にする、ということで、そしてYoutubeで映像が流れたことで有名になりました。その結果、企業が個人に謝罪(損害賠償含む)するという結果になるでしょう。つまり、個人 > 企業 という結果です。

しかし。

上記でも、「本来乗るべき飛行機に乗れなかった」という点では、企業が個人より強い。警察を使った場合、「客=個人」の主張は「企業」より弱かったわけです。つまり、客 < 企業です。

一般的には、特に日本人ではこうはいきません。上記のシチュエーションで、警察沙汰になって下ろした後、客が会社にクレームをつけたとすると、、、多分、ハードクレーマーということになり、営業妨害等で、逆に客の方が訴えられることがオチです。つまり、「往復ビンタ」で客は損害を被る。だから、黙り込んでしまう、、、のではないでしょうか。日本ではどうやっても 個人 < 企業です。

もう一度よく考えてみてください。事件概要を読んでもわかるように、客は「降りる」べき理由が見つかりません。逆に「乗る」ための正当な権利を有しているのです。それでも、企業の力は強くて、我儘を通してしまう。個人 << 企業 です。

社会学者やCSR関係の学者などは、「こういう企業は、人気が落ちてお客がなくなるという報復を受ける」と言います。 世論(客の集合体) vs 企業になれば、客の集合体が強いかもしれません。しかし、被害を受けた個人(上記の例でいう「客」)には、何の補償もなされない、という意味では、結局 個人 << 企業です。
更に。
個人感情として「溜飲が下がる」方法は、無風凧が考える限り存在しません。「不買運動」などというのは、大多数が行うから効果があるので、一人だけで行ったら返って自分が不便になります。ユナイテッド航空には絶対に乗らない、と上記の客が思ったとしても、ユナイテッド航空は痛くも痒くもありませんし、客は、自分の移動手段を「自ら限定してしまう」ということで、不利益を被ります。まして、「あの客はクレーマーだからチケットを発券しない」などという手段に出てくる可能性も0ではありません。このように、感情を晴らす手段すら存在していないのが 個人と企業の力関係なのです。個人 <<< 企業です。

結論として。
現代社会の力関係は 個人 <<< 企業 です。これからの世の中、個人が企業に対して対等な力関係になる、これが必要なことだと無風凧は主張します。

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