神の見えざる手(2)
昨日の続きです。
昨日の「神の見えざる手」には、大きな仮定がありました。それは、ヤマトとアマゾンの契約が継続する、というもの。
この仮定が崩れないことを前提にすれば、昨日の議論はある程度信じてよいと思います。しかし。
価格交渉がうまくいかず、ヤマトがアマゾンの配達を完全撤退(他社が引き受けるようになる)、というようになることも考えられます。
この場合、、、
ヤマトでの配達がなされなくなって、一番困るのは、、、実は、ヤマトの配送員です。ヤマトの配達の中で、アマゾンの配達割合が年々増加しています。いきなり全部なくなる、ということは、その分の「仕事」がなくなりますから、配達員(従業員)が過剰です。よって、給料カットやリストラ、、、ということになります。つまり、ヤマト運輸の配達員の方が一番困るわけです。
え? ヤマトが配らなければ、アマゾンが困るだろう、って?
確かに、短期的にはその可能性がありますけど、実際はどうでしょうか。 以前、佐川急便が撤退したためにアマゾンの配送はヤマトと郵パックになっていますけど、大手だけではなく、準大手や中小で、「安定的な」受注が見込まれるアマゾンとの契約をほしがる運送会社はたくさんあるでしょう。それに、アマゾンは自前の流通網を作ることも考えられます。最近はやりのUberの変形ビジネスを立ち上げてくる方もいらっしゃるでしょう。(簡単な試算では、5億ほど出してもらえれば、代替配送手段を提供することは無風凧でもアイデアはあります)。つまり、アマゾンの「代替手段」はたくさんあるわけです。
このように考えると、、、ゲーム理論的には、現状は変わらない、ということになるだろう、と予想されます。皆様はどのようにお考えになりましたか?
次回は、もう少し突っ込んだ話をしたいと思います。
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