VCのジレンマ(2)
新しい事業を起こす=起業の際には、何らかの資金が必要です。その際に、銀行からの融資のほかに、良く使われるのが VC= Venture Capitalistです。最近、シリコンバレー型の「新規起業」に対するVCのみならず、企業が「起業支援」という意味でCVC= Corporate Venture Capital を立ち上げている例が多くなっています。
このように、VCは市場創造、事業創造、ひいては雇用拡大などに無くてはならないものとなっているのですが。VCの多くは、「イノベーター支援」を謳っています。
では、VCはどのような「ビジネス=起業=イノベーター」に投資をするのでしょうか?スタートアップ段階の所謂「アイデア段階」のものから「拡大期」のものまで色々投資するのですが、その投資の判断基準は、「如何にリターンがあるか」。所謂事業計画の数値(利益予測)です。イノベーターたちの作った事業計画の数値を、「自分達の手法で」判断して、イノベーターの事業計画に「投資するかしないか」を決めます。
ここで、よく考えてみてください。「VCの用いる判断手法」自身はどのようなものでしょうか?簡単にいえば、過去の販売実績等から、Total Accesible Massと呼ばれる推定市場規模を算出し、、、、ということをするのえが一般的なのですけど、この手法は、もう何十年も同じす! その上、「新規市場創造=イノベーション」には、ほとんどの場合無力です。
無力、、、の例は、枚挙にいとまがありません。MBAを取った方なら、シャープの液晶事業やソニーのウオークマン、最近では、docomoのi-modeなど、イノベーティブなものは、ほとんどの場合アングラです。つまり、VC的な手法は無力なわけです。
イノベーションを起こすための投資が、実は「真のイノベーションに投資されない」という構造を持っているのです。これを、無風凧は「VCのジレンマ」と呼んでいます。
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