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VCを考える

経営入門、を読まれる方は、「これから起業するぞ!」と思われている方も多いのではないかと思います。起業するときに、資金調達の一端として、VC(Venture Capitalist)に相談に行かれることも多いでしょう。

最近は、空前のVCブーム。大企業では CVC(Corporate Venture Capital)という制度を持っている会社もあります。そんなわけで、無風凧も、相当数のVCの方を存じ上げています。

VCの方々は、、、、押しなべて、「Visionを共有/Missionを共有」という話をします。つまり、「貴方の夢は?」「貴方はどんな世の中にしたいの?」ということです。英語で言えば、「To Be」です。

ここで、起業家の方が間違えてはいけない事、、、というか、世の中のVCの90%以上がいう「夢」は、「世の中の不便(Pain)」がベースだということです。つまり、

「いま、○○が出来ていないから、それが出来るような世の中にしたい。」

この文章、一つで、VCの反応はきっと変わります。そして、「○○が出来ていないから」がそのVCと共有できれば、まず第一段階は突破でしょう。

でも。

起業家の方は、「新しくこんな事ができるようになる(利便)」を説明しようとします。「利便」から説明して理解してくれる方は、10%にも満たないでしょう。出資してくれる方は、1%以下です。

例を示すと(MBAのケーススタディで良く使われる)。Walkman(携帯型カセットテープ再生機)を企画した時に、「音楽を外に持ち出す」という利便を、どれだけの方が理解してくれたでしょうか?社長プロジェクトで無ければ、実現しなかったのがWalkmanです。この場合、「音楽を屋外にもぢ出すことができない」というのは確かに「不便」だったかもしれませんが、「不便だと思っている人がいない(少ない)」という弊害(?)があります。。。。

そうです、利便創造を「不便解消」の言葉で説明しても、90%のVCには理解してもらえないのです。資金調達のために、「あえて不便解消の言葉で理解してもらう」というテクニックが必要なのかもしれません
という話をしたうえで。

それでも起業家の皆様には、「利便創造」を追いかけてほしいと願う無風凧です。そして、そのためにも「利便創造」を理解するVCが増えることを祈っています。

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