国とは、国籍とは。
今年のノーベル物理学賞は、青色LED開発の日本人3名(国籍的には、日本人2人とアメリカ人1人)に決まりました。おめでとうございます。
青色LEDと言えば、当時日亜化学の従業員だった中村修二博士(現在カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)の特許紛争が有名で、中村氏は、その後アメリカ国籍を取っています。
今回の受賞に際し、日経のインタビューに、
――日本人として受賞したことについてはどう思うか。
「もちろんうれしい。日本は小さな島国だが、今回3人も受賞したことは、日本人として誇らしく思っている」
出典 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC07011_X01C14A0I00000/
と答えています。また、中村氏がアメリカ国籍を取得したのは、
「こちらの大学で研究する上では、米国籍がないと軍の予算がもらえないし、軍に関係する研究もできない。それで市民権を取得した」
と答えています。このように考えると、書類上の国籍と、メンタリティとしての国籍は異なる、ということが言えます。アメリカ籍取得は、研究のためにすべてを最適化する中村氏らしい選択ではありますが、しかし、心は日本人のまま、だったのでしょう。科学の先端を走る中村氏にして、とっても演歌的だなあ、と思います。
無風凧としては、研究費を得るために国籍を変える、つまり、国籍さえ変えれば、アメリカ人として研究費を取得して研究できるのか、という非常に基本的な課題にぶつかります。結果はどこの国に帰属するのか、、、もちろん、アメリカでしょう。中村氏は、それでよかったのでしょうか?彼はきっと、「人類に帰属する」と考えていたかもしれません。だって長い目で見れば、きっとそうなりますから。
無風凧ならどうするだろう?国とは。そして、国籍とは。この機会に一度、じっくり考えてみたいと思います。
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