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定量性・客観性・再現性

無風凧は企業コンサルしています(もう、しつこいくらい書いてますね)。

無風凧が行うコンサルの特徴のひとつは、徹底的に「数字にこだわる」ことです。数字にこだわる、といっても、売り上げや利益、利益率という意味での数字ではありません。定性的な表現をできるだけ避けて「定量的に記述する」ことに拘っていると言うことです。そして、この定量的な記述の際に忘れてはならないことが、もう2つあります。

それらは、客観性と再現性。 誰が測定しても、どのように測定しても、同じ結果が出てくる数字に拘るわけです。

良くあるのは、「昨年よりもみなが頑張ったので、売り上げた伸びました」の類の報告です。もちろん、頑張ったことは大切なこと。でも、去年に比べてどれだけ頑張ったのか、外部の人にはわかりません。だから、

全員、昨年までは月に30時間の残業でしたが、効率を上げた結果、平均残業時間25時間で昨年と同じ売り上げを上げることができました。残業代に必要だった人件費が○○円だったので、利益は残業代分、増やすことができました。

という表現になれば、誰が見ても判りやすく、そして主観の入る余地が無い記述が可能になるわけです。

ひとつ、実例を挙げてみましょう。あるレストランの業績報告で「店舗のサービスを向上させた結果、利益が上がりました」という表現がありました(お店が特定されないように、表現は曖昧にしています)。

ところで、このレストラン。無風凧の行きつけでもあったのです。そして、無風凧的には、今年度になって、

1) 接客係のの数が20%カットになった
2) その結果、下膳にかかる時間が平均約2倍伸び、繁忙時間には、下膳出来ないが故に入り口に待ち行列ができるようになった。

と、客観的な数字を持っています。「一人のお客さん」としての無風凧は、この店は上記1)2)から導出できるように「サービスの質が下がった」と、誰でもが納得する形で言い切ることができるのです。

とすれば、業績報告のサービス向上 というのが、いかに「主観」にたよったもので、実態を表していないものであるか、一目瞭然だと思います。これでは現状把握が甘く、とても自社の状態を把握しているとは言えません。この会社は、正確に言えば、接客係(アルバイトか正社員かはわかりませんが)を解雇もしくは時間切りしたことにより、人件費を下げることができた故に、見かけ上の利益が増えた、というのが正しい解釈だと言えます。
# 売り上げ数の低下がもたらす売り上げ減は、改めて数字を見る必要がありますね。

このように、経営における定性的な記述部分を数字にすることに徹底的に拘ること。その際に、誰が見ても理解できる客観性と、誰が測定しても同じ結果が出てくる再現性。これが無風凧が提供するの企業コンサルティングの特徴です。

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