ランキングについて考える(21)
前回は、プロ野球オールスターゲームのファン投票をランキング思考してみました。そして、結果として「何のランキングか判らない」という結論を導き出しました。(こちら 参照)
人気を表しているランキングだ、と信じて楽しみたいというファンとしての気持ちはありますが、実際は色々な課題を抱えているのが、オールスターのファン投票です。組織票や祭現象など、根源的な問題もあります。
オールスターのファン投票について、少し違う視点でランキング思考してみます。仮定として「純粋にSR(社会的ランキング)になっている」をおいておきます。言い換えれば、ファン投票の結果は、「ファンが見たいと思う選手の順番になっている」、ということです。
プロ野球以外の例では。例えば、議員さんを選ぶのも「選挙=ランキング」ですが、それで選らば得れた人が発言権を持ちますし、議員の数は基本的に議会における「発言力」に比例します。AKB48の場合は、一番沢山得票したメンバーがセンターを取ります。このように、ランキングの結果に従って実行されます。
プロ野球の場合はどうでしょうか? もうお気が付と思いますが、ベンチ入りするところまではファン投票の結果は尊重されますが、それ以降、出場選手に関しては、あまり重要視されません。監督推薦枠、選手間投票によるベンチ入りもあります。その上で、実際のゲームへの参加は、Starting Memberで9人。この9人は、「ファン投票だけではないベンチ入り」のメンバーから監督が決めます。つまり。最悪の場合、一番得票した選手が、守備に一度出るだけ、という現象も起きうるわけです。
ランキング思考的に言えば、ファン投票数に比例した出場機会を与えてしかるべき、というように思うのですが、、、もっとも、ゲームは「勝つ」ことが目標。そのための出場選手とファン投票がずれることは仕方がないのかも知れませんが、、、だとしたら、ファン投票の目的を「最強のチームにするための投票」とするだけで、(性善説的には)問題解決します。
結果として、オールスターのファン投票は何をしたいのかわからない、という前回の結論はさらに支持される結果となりました。
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