ランキングについて考える(9)
ランキング(ここではSRの意味)は統計ではない。
今回は、いきなり強調文字ではじまりましたが、この意味、わかりますか?
一番簡単なのは、視聴率を考えることです。視聴率は、その計測方法に異論はあるのですが、統計を前提にしています。つまり、視聴率測定に協力している家の数は非常に少ないのですが、その数で日本全体の「雛型」として考えてよいという、統計学的(数学的)な保障があります。(もちろん、ある程度の 誤差範囲 を認めたうえで、ですが)。だから、視聴率は、本当に「その番組を見ている」ひとの割合を 統計的に正しく あらわしていると言えます。その意味では、視聴率はPR(原始的ランキング)です。
では、2回前にもちいたケーキ屋さんの例を考えてみましょう。ある街で一番行列ができるケーキ屋は、もしかすると、若いOLさんにとても人気があるから、かもしれません。もしくは、お年寄り好みのケーキ屋かも知れません。つまり、総ての人に対してケーキ屋が本当に人気があったり美味しかったりするのではなく、「ある特定の」人たちに対する人気かもしれません(往々にして、その傾向があります)。統計的に正しい物ではありません。
にも関わらず、ランキング人は
ランキング結果は統計的に正しいと思いこむ性質
があります。(テレビ番組などは、これを逆手に浸かって、あたかも統計的に正しいものである、と思いこませるような番組作りをします)。
このように改めて言われると、「確かにそうだよ」と思われる方、多いのではないでしょうか?統計的に正しいとは言えないのに、ランキングの結果を信じているアナタ。アナタは立派なランキング人(もしくはランキング人の候補)です。
次回は、 なぜランキング人がふえてきたのか、をちょっと考えてみましょう。
| 固定リンク
コメント