「とりあえず社会人」
年末から年明けにかけて、数人の学生から、
「無風凧先生、エントリーシート(以下ES)書いたので、読んで感想教えて下さい」
という問い合わせがある。無風凧は学生には、
「ESは君の実力の社会評価だから、自分でアタックするように」
と言っているのだけど、内容はとりあえず読む。
読んでいて悲しく思うのは、「就職活動 ではなくて 就社活動 になっているなあ、、、」ということ。或る学生などは、一般職、総合職、技術職、その中でも営業系、企画系 など「同一会社の複数のカテゴリー」へのエントリーを行っている。本人は、「どんな仕事をしたいのか?」に対して明確な意思を持っているわけではないようで、「ああ、この学生も就社希望か」、、、と思う。
でも、他の先生方の話を聴くと、上記学生は「就社したい企業」が明確になっている分、まだ「良い方」だ。もっと悲しい輩がいる。
最近の就職難からだろうか、一人で100通以上のエントリーをする者がいる。業界、業種は言わずもがなでバラバラ。希望職種も一貫性がない。こういう学生に限って「一流企業の○○にも記念ES出した」などと平気な顔で話してくれる。こうなってくると、自分の意志なんてどこにもなくて、「とりあえず社会人」が生み出されていくわけだ。希望する職業でもなく、希望する会社でもなく、でも言われた仕事をこなして給料をもらう、とりあえず社会人。
自分の時代を思い出すと(○○年も前の話だ!)、
「××をしたいから、お宅の会社は採ってくれますか?」
というのが主流だったと思うのだけど、、、何時の頃から変わったのだろうか?
「とりあえず社会人」達は年収300万円時代が頭に刷り込まれているいるから、それなりに楽しんだ生活をしている。今の日本の元気に無さは、「とりあえず社会人」と「それを生み出す社会システム」に原因の一端があるように思う。
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