ランキングについて考える(5)
読者の方から、メールで「SRとPRって、同じものになるのではないか?」という問い合わせがありました。これはとても本質的で大切な問題ですので、今回はそれについて考えてみましょう。
まず、「同じものにならない」例を、いくつかあげます。
1) プロ野球チームの実力(シーズン後の順位)とシーズン前の予想(多人数のアンケート結果)。
「あ、そうか」と思った方、多いのではないでしょうか?説明は必要無いですよね?シーズン後の順位をPR(Primitive Ranking,原始的ランキング)、シーズン前の予想をSR(Social Ranking,社会的ランキング) だととらえれば、SRとPRは一致しないことは、一目瞭然です。
2) 女子フィギュアスケートの優勝予想。
これは、真の実力(PR)と予想(SR)で異なることもさることながら、「日本でとったSR」と「韓国でとったSR」でSRが異なります。どちらが正しいか、という問題もありますが、分かりやすい例でしょう。
3) アポロ11号は月面着陸したか?
直接、ランキングを表すものではないですけど、真実 と 投票結果 が異なるであろう例です。真実は 月に行った としても、NASAのビデオだと信じている集団はあるわけで、その集団でSRを取れば、アポロ11号は月面着陸を果たしていない、が真実になります。これも、真実(=PR)と投票(=SR)が異なる一例です。
もうお判り戴けたでしょうか? SRとPRは必ずしも一致しません。
ただし。PRはSRで定義される、という例も存在します。当然ですが、この場合はSR=PRです。例えば、実力のある政治家ランキング は、「実力をどのように定義するか?」によっては、PR=SRになります。つまり、「政治家の実力は、街頭アンケートの結果」と定義すれば、PR=SRです。 この手の話の端的な例は、「景気」でしょうか。景気は、「良いか悪いか?」のアンケート結果で「景気の良し悪しが決定します。」つまり、SRをもってPRを定義しているわけです。
ただし。このSR=PRは、「定義による」ものであることを、注記しておきます。
今回は、メールでの問い合わせの答える形で、PRとSRが異なる事例を並べてみました。
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