ランキングについて考える(7)
今回は簡単な思考実験。
あるケーキ屋が
「この町で一番行列ができるケーキ屋さん」
と、ランキングの結果として新聞やネットで紹介されたとしましょう。皆さんはこのお店の行列が、このあとどうなると思いますか? 一緒に考えてみましょう。
近隣でケーキを買いたいと思う方が、ネットで検索などして、
(1)行列ができる
↓
(2)美味しいと信じる
↓
(3)自分も並ぶ
という行動をとることが 容易に想像されます。ここで(1)と(3)を見比べてみてください。「自分も並ぶ」という行為は「行列ができる」という現象と 同じ ということことに気が付きます。そうです。ランキング上記は、より 幅が拡がるように 作用するのです。
この特性の事を、ここでは
ランキングの自己成長特性
と呼ぶ事にします。(もしかしたら、言い方を変えるかもしれません)。ただ、ちょっと気をつけてほしいのは、ここで言うランキングは SR(社会的ランキング)であるということです。少し唐突感があるかと思いますが、ここまでの記事を読んで、ゆっくり考えて下さい。
さて。思考実験を続けましょう。
このケーキ屋は、近隣はおろか、わざわざ買いにきて行列に並ぶほど、有名になりました。すると。
(1) ランキングが長い
↓
(2) 美味しいだろうと信じて食べる。
↓
(3) 味を評価する
↓
→(4-1) 美味しくてまた並ぶ
→(4-2) 期待外れだと思い、並ばない
ここで、(4-1)は、前述した ランキングの自己成長性 です。ただし、自分の味覚と言う評価が入っています。その意味では、PR(原始ランキング)に近付きます。
(4-2)は、ランキングのオーバーシュート ということができます。1番行列ができるという事実は間違いがないとしても、「ある人が期待する一番には到達してない」ということです。この現象をここでは、オーバーシュートと呼びます。
これは、SRは、ランキングの順位だけを表していて、絶対的な順位(PRと言っても良い)を表していないこと、そしてその根本には、「SRは統計の結果であり、個別(個人)の現象には対応してない」ことがあります。
ランキングのオーバーシュートがおきると。
期待以下であったという マイナスのイメージ
がそのお店に付け加わることになります。つまり、
一般的には美味しいと思われているのにマイナスの評価 がなされる
ことになります。なんとなく、、、不思議ですね。
次回は、ランキングのオーバーシュートについて、もう少し詳しく見て行きましょう。
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