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丸の内タニタ食堂

「丸の内タニタ食堂」が1/11に開店した。丁度2年前に、「体脂肪計タニタの社員食堂」という本が出版され、ある意味で タニタブーム が拡がったように思う。そのタニタが、社員食堂をビジネス化・PR化した。

ここまでのタニタの 成功要因 をおさらいしてみると。

1) 健康ブーム(メタボ対策)が日本中に浸透していた事である。 無風凧をはじめ、太めの人は、皆さん 健康 = 体重・体脂肪減 = 食生活と運動 という図式を暗黙のうちに意識している。このブームの中、タニタは 体重・体脂肪の測定器のメーカーである。その 社食 ということで、「きっと効果的な食事である」という想起が生じたと分析する。

2) 上記の書籍などを含め、「500カロリー」という数値が1)を助長したと考えられる。単に痩せましょう、カロリーを減らしましょう、ではなく「500カロリー」という明確な数値目標が設定されたことで、分かりやすくなった。プロジェクトマネジメントの手法の一つとして、数値目標の設定というものがあるが、まさに、その手法である。

ブランド論的には、1)2)をまとめて、 「計る(タニタの技術)」 と「健康(体脂肪・体重、そしてカロリー)」 を 「明確な数値」 でつなげることにより、両方想起できる企業として タニタ がポジショニングされた、と言えよう

3) 加えて、「社員食堂」という言葉。「タニタは、社員の健康に気を配っています。」というメッセージが言外に表れている。社長は「健康No.1の企業にメタボがいては示しがつかない」というようなきつめの言い方をしているが、この言い方も、市場に好意的に受け入れられた。つまり、 「タニタは社員を大切にする企業」というイメージが、形成されたと言える。

4) 言うまでもないが、若手女性社員がTVの取材などで「美味しくてヘルシー♡」と笑顔で答えていたのも、忘れてはならない。波及効果は大きかった(TVを持っていない無風凧ですら、知っているのだから)。もちろん、「社内にコアなファン」が出来たことも、ブランド形成の上では見逃せない。

5) レシピ本が出たことにより、健康・食事に対して「積極的」な客層、主婦層などを見方に出来たことも大きいと思われる。実際、Amazon.com での上記本の感想など読むと、かなりの方がチャレンジされている。「積極的な客層」が反応したことは成功要因である。

さて、今後はどうだろうか?

企業のPR(Pubric Reation、広告宣伝活動)は色々あるけれど、「社員食堂を公開する」という手法は、今回のタニタが初めてだと思う。丸の内タニタ食堂では、最先端の体脂肪測定器を常備するなど、「本業」にも力を入れている。これは、訪れるお客様にとっては食事代以上のプレミアムがある。この付加価値だけでも、当分の間は、他の追随を許さないし、広告効果は満点である。(食堂としての収支以上の広告宣伝効果がある。)

加えて。
社食を公開することにより、社員の日常を垣間見ることができる。これにより、「より透明感のある企業」になっているように市場には受け入れられる。言い換えれば、「より身近な企業」となっていくだろう。実際、「パパの会社の食事はこんなんだよ」と子供とカレーを食べるシーンなどを想定すると、一種のテーマパーク的でもある。その結果はブランド価値の向上である。実はこれは、タニタに限らず、社食をもっているどの企業でも実践できる事なのだが、その先鞭をつけたのが「丸の内タニタ食堂」と言えよう。

丸の内に出現した測定器メーカーの運営する一軒の食堂。しかし、その可能性は測り知れない。

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