TPP参加?不参加?(自由競争を考える)
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。
明日11月12日を期限に、参加不参加の回答をするようになっています。新聞やNetNewsなどを拝見していると、反対勢力の方が強いように感じますが、野田首相は「参加」と回答するのではないかと、無風凧は思っています。
TPPは、関税撤廃や医療自由化などを謳っています。凄く簡単に言えば、貿易の障壁を下げて、自由競争をしましょう!と言っていることになります。「自由競争」と聞くと、大概の人は「そうだそうだ」と賛成するのでしょう。たしかに、自由競争と言う言葉は耳触りがよいのですが、その意味するものはどういうものでしょうか?今日のblogでは少し違う視点で自由競争 を考えてみます。
<最初の例>
人が2人しか、世界に居ないとします。この二人の貧富の差はどれくらいあるでしょうか?
仮に二人での財産を2としましょう。どんなに、不公平にわけでも 2:0です。つまり、貧富の差は2しかないのです。
<二番めの例>
人が10人居るとします。財産が10だとします。10人のなかの「最大と最小の貧富の差」はどれだけになるでしょうか?
現実として起きるかどうかは別にして、一人が全部、他は0と言う場合が起きます。つまり10:0はあり得ます。実際を考えても、財産5の人が一人くらいいて、0の人が一人くらいいて、、、というのは想像に難くない。この場合、貧富の差は5だと考えましょう。
<三番目の例>
AdamSmithの国富論ではないですが、10人が協働することにより、財産が総数100に増えました。この時の貧富の差はどれくらいでしょうか?
言うまでもなく、50くらいもっている一人と、1か2しか持たない数人、、、のようになるでしょうね。
勘の良い方は既に御気が付きだと思いますが、コミュニティの大きさが大きくなればなるほど、経済範囲が大きくなればなるほど貧富の差は大きくなります。また、自由競争社会においては、富は局在しますから、自由競争の部分が広くなれば、貧富の差は大きくなるのです。歴史的にもそれは言えています。
もうひとつ、自由競争に対する懸念を述べます。それは、資本を持っている方が、強いということです。「ギャンブラーの破産問題」 という有名な問題がありますが、破産する確率が低いということは、「経済的勝者になりやすい」ことを示しています。
少し、飛躍をお許しいただくとして、上記から言えることは、
自由競争においては、競争の範囲が広がるほど貧富の差が大きくなり、また、元々の強者が最終的に勝ちやすい。・・・(A)
ということです。これが、資本主義経済下における自由競争の本質です。この本質をもとにTPPの結果を考えれば、、、、
現象的にみて、農家が潰れる、医療が云々、、、ということも大切です。加えて、自由競争の本質は、上記の(A)のようにまとめられることを念頭に、参加不参加を決めてほしいものです。
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