嘘と嘘、そして嘘(コネタマ参加中!)
実話です。このblogを読む前に、是非、「読む人の無いメール」をお読みください。
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鈴木さん(仮称)に最初に癌が見つかったのは、2009年12月。初期の食道癌ということでした。お酒とタバコが好きだった鈴木さんも、タバコは直ぐに止めました。しかし、
ブラームスを聴きながら、数学や哲学の話をし、そしてワインを呑む
という、月に一度程度の無風凧との勉強会は止めようとしなかった。癌の事が心配な無風凧は、2度目の時に、
「無風凧も胃潰瘍が見つかったようで、お酒は当分ドクターストップです」
と嘘をつきました。それ以降約半年、ワイン無しで勉強会しました。鈴木さんが入院している日も多かった。その間、無風凧もあまり呑まない様にしましたが、ドクターストップでは無かった。そうこうしているうちに、
全快しました。ワイン、呑みましょう!
と連絡があり。鈴木さん宅に行くと、ワインセラーの中にストックされていた「お気に入りのvintage wine」をいきなれり開けてくれました。この時も無風凧は、
「今日は鈴木さんの全快祝いだから、ドクターストップ中だけど一杯だけ呑みますね」
と、またまた嘘をついてしまいました。上述のように「嘘」をついていた手前もあり、また、「癌が全快したからと言って、いきなり痛飲するのは如何なものか」と気がひけたからです。
これが鈴木さんと呑んだ最後のワインです。今思えば、全快は「鈴木さんの嘘」だったのかもしれません。なぜかって?一番お気に入りのワインを開け、一番好きだと言っていたブラームスのクラリネットソナタを聴き、構造主義とブルバキの話をし、、、そして、「今日は最高の一日だ」と繰り返していましたから。そしてこの日から半年後には癌が再発して他界しましたから。
嘘と嘘、そして嘘。
最初の嘘は必要だったと思います。でも、全快祝いの日の嘘は、後悔しています。一緒に痛飲すれば良かった。そして、鈴木さんの嘘は、、、嘘かどうかは今となってはもう確認できませんが嘘だとしたら、、、今は許せません。
ブログネタ: 【賞品付き】つい言ってしまった「あんまりな嘘」
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