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話せばわかる

5月15日。歴史上で有名な「五・一五事件」の起きた日です。今日はこのblogでは珍しく、政治の話をしましょう。

つい先日、柔道の「やわらちゃん」こと「谷亮子氏」が、次回の参議院選挙比例区へ民主党からの立候補を表明しました。ココログニュースでも取り上げられているので(参照)、経緯などについては割愛します。無風凧は、谷氏を直接存じ上げないので適性があるか否か、を論じたくはありません。ここで論じたいのは、「選挙システム」の問題。

比例区での得票は、ほとんど「人気投票」になっているのが今回の選挙。ある人の人気による得票数で、「複数人の当選」をはたすことができます。つまり、集票力が政治力 である(命題1)

ところで、皆さんの考えている「政治力」ってどんなものでしょうか?古代中国なら「徳」という言い方で代表することができ、この「徳」が無くなれば易姓革命がおこり、政治が変わります。 いまの日本でいうなら「政治力が善政を布く」(命題2)と言えば分りやすいでしょうか。これは洋の東西を問わないでしょう。ただ、なにが「善い」かは、国民性などによって異なるとは思いますけど。

では、この「善政を布く力」が「人気」だけ導かれるものでしょうか。たとえば、昨今の沖縄問題のように、非常に限られた地域の(日本全体からみたら)少数の方の意見も十分に尊重して、少数の方が納得する解を見つけ出し、それを実現することが、善政を布く力、でしょう。つまり、 「善政を布く力は人気によるものではない」(命題3)

命題1、命題2、命題3は、矛盾を起こしています。命題1,2,3のどれかは偽です。(厳密に論理学的に言えば飛躍がありますが)、「集票力が政治力である」は偽である、といえましょう。

言いかえれば、 「集票力が政治力である」ことを「真」としている今の選挙システムは、それ自身がすでに「偽」であるといえます

一般国民(有権者)としてできる唯一のことは、「集票力が政治力を決めるのではなく政治力が集票力を決める」システムに成るよう、投票することだけです。

タイトルの「話せばわかる」は、五・一五事件で暗殺された犬養毅首相の最後の言葉と言われています。政治家の皆さまにもっと「話して」戴いて、考えや実行力を示してもらい、私たちが「判った」上で、つまり「政治力」に投票するようにしたいものです。

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