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食べたくないし!!

 今回は、「思い出の会話」をお届けしよう。 写真は無いので、情景を想像しながら呼んでほしい。実話である。

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 無風凧の住まい近くの国道沿いに、「無風軒(仮称)」というラーメン屋があった。とんこつ平打ち太麺というちょっと珍しいラーメン屋だった。(真性メタボの無風凧にはラーメンは天敵だが、ここのラーメンは数度食べた。美味しかった。)

 ある夜、無風軒(仮称)の前にさしかかると、茶色の中型犬がお座りしてた(100メートル遠くからでもワンコであることが判る)。雑種で、柴犬よりちょっと大きなワンコ。眼の周りが黒く、尻尾が白くなっているワンコ。しかも遠目では”涼しそうな”顔をして。

 近づいて見ると、ガードレールにリールを付けられたそのワンコは、目はウルウル。よだれはタラ~ン。お座りしているのに前足でズリズリ足摺状態。尻尾フリフリ。そう、ラーメン屋の匂いで落ち着いていられないのだ。でも「お座り」の格好は崩さない。

無風凧: どうしたんだい。

ワンコ: ご主人がラーメン食べているから、お座りして待っているのさ。

無風凧: 美味しそうな匂いだね。食べないのかい?

ワンコ: 僕は良いワンコだからね。おとなしくお座りしているのさ。それに、ラーメンはあまり好きじゃない。だから食べたくないし!! (見るからに強がりだった。チャーシウの匂いが無風凧の腹の虫を泣かせた。)

 店の中には、20才過ぎのカップルと、マイケル・ムーアのような巨漢。どちらのお客のワンコだろう?と思いながら、そのワンコに”See You!”。ワンコは声にならない声で"う~、う~"と泣いていた。。。。

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 その後、彼(ワンコ)には会っていないが、元気にしているのだろうか?ちなみに、無風軒(仮称)は、昨秋、潰れてしまった。

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