面白い記事が飛び込んできました。河合塾の講師が、ストを行った、というものです(コチラ など参照)。
予備校業界も、大学の非常勤講師も、同じような話が続いているなあ、、、というのが無風凧の感想ですが、「スト」まで行くと、あっぱれ!という感じがします。
教育・学校業界は、サービス産業化している、というのが背景にあるのでしょう。その上で、時給換算の「労働者」になっている。ある意味でのエッセンシャル・ワーカー化だと言っても、当たらずとも遠からず。
こうなってくると、学校経営者にしてみれば、「客寄せパンダ」的なインフルエンサー教員以外は、時間(講義コマ)を埋めてくれればそれで充分のワーカーです。だから、できるだけ「安価に買いたたく」ことになります。
例えば、10人のクラスの講義でも、400人クラスの講義でも、コマ単価は変わらない。予備校業界は、採点や単位認定という業務がありませんから、人数の違いはその場集中力等の違い(多い人数の前で話すのは、それなりに集中力、スキル、慣れ、などが必要)で、外からみた時間は変わりません。講義準備時間を入れて、最低時給を下回ることは、多分ない、というレベルでしょうか。
大学の教員は、試験や単位認定がありますが、このような「講義外」の業務に対価は支払われないことが多いですから、結局大教室でやると「時間単価」も下がってしまう勘定になります。それも、「労働組合」が無いので、交渉の余地すらない、というのが実情のようです。友人の非常勤講師の場合、完全に最低時給を下回っている、と愚痴をいつも聞かされています。
その上、「人質司法」ではないですが、「学生(教え子)の不利益は避ける」という教員の本能を利用して、「学生人質」的な経営がまかり通っています。なんだかなあ、、、、と思います。
そのような背景で、河合塾の講師がストを行う事が出来たのは、ある意味で「恵まれている」というのも本音。大学非常勤や理研の雇止めに比べれば、まだ「手が打てる」だけ、恵まれているな、と思うのです。
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